1948年に大阪で生まれ、子どもから大人まで楽しめる人形劇をつくり続ける人形劇団クラルテ。
2021年秋の新作公演『有頂天家族 二代目の帰朝』は、人形劇と浪曲とがコラボレーションする新たな試みとなる。原作となる森見登美彦の同名小説は、長編である上に「有頂天家族シリーズ」3部作の第1作目『有頂天家族』の続編でもある。前提知識となる前作のあらすじや膨大な背景への解説が演出上不可欠であると感じ、浪曲での語りを導入することを考えたという。関西で活躍中の若手浪曲師・真山隼人、曲師・沢村さくらを迎えて、人の(狸の)情を浪曲・三味線が語り尽くす。森見が軽やかに、生き生きと描く登場人物たち、なかでも、引退しかけた老天狗・赤玉先生こと如意ヶ嶽薬師坊と下鴨家の三男坊狸・矢三郎との掛け合いなどが、人形たちによってどのように演じられるか、ワクワクする。
舞台は森見作品おなじみの京都。2015年にもクラルテは上述の前作『有頂天家族』を上演しているが、今回も、狸×天狗×人間の繰り広げる物語が描かれる。
狸と人間と天狗が三つ巴で暮らす現代京都。狸の名門・下鴨家の三男・矢三郎は、「面白きことは良きことなり」という亡き父の教えを胸に、天狗や人間にちょっかいを出しては愉快に暮らしていた。ある日、老天狗・赤玉先生の跡継ぎたる“二代目”が英国より帰朝すると、平和な街の気配は一変。天狗親子は決闘騒ぎ、人間たちは狸鍋を画策し、狸は狸で化かし合い。復讐に燃える古狸や、麗しの半天狗も暗躍し…。矢三郎たち四兄弟は阿呆の誇りを胸に、それぞれの信条を、愛する者たちを、守り抜くことが出来るのか?
(人形劇団クラルテWebページ「あらすじ」より)
「面白きことは良きことなり!」と阿呆を生きる狸・矢三郎たちが活躍する舞台。今回は三面舞台となっており、下手側、正面、上手側から観劇できるようになっている。人形がどのように息を吹き込まれ、動き出すのか、楽しみでならない。
人形劇団クラルテ 第121回公演『有頂天家族 二代目の帰朝』
期間:2021年10月3日(日)~10日(日)
※詳細は人形劇団クラルテWebサイトを参照会場:近鉄アート館
チケット前売:一般4,500円、25歳以下3,500円、65歳以上4,000円、障害者・介助者各3,500円
※当日は各500円増し
※中学生以上対象問合:06-6685-5601 (月~土曜 10:00~17:30、日曜・祝日休み)
演出:大谷賢治郎(company ma)
出演:西村和子、三木孝信、永島梨枝子、西島加寿子、福永朋子、鶴巻靖子、藤田光平、奥洞昇、宮本敦、齋藤裕子、白國亜衣、德永颯希
共演:真山隼人(浪曲師)、沢村さくら(曲師)
近鉄アート館
大阪市阿倍野区阿倍野筋1-1-43
あべのハルカス近鉄本店ウイング館8F