E&Yの展示会「Digging through E&Y」が、桃谷のATAKAにて、2023年7月から9月まで各月3会期に分けて開催される。スズキユウリ、二俣公一、マックス・ラムの3名のデザイナーに焦点を当て、E&Yより発表されたプロダクトを中心に、各デザイナーが影響を受けた書籍などをあわせて展示。一つひとつの作品とより深く向き合うことのできる空間を生み出す。
これまでATAKAでは、ジュエリーレーベルとしての活動に加え、デザインやアートの力に魅了されてきた代表・安宅洋輝自身の経験から、時代や国籍を問わず、さまざまなデザイナーが手がけたプロダクトやアート作品の展示会を行ってきた。
本展は2022年にE&Yが開催した、デザイナーの資質を反映した展覧会「Thirty-six views」や、デザイナー・作家の要素を純度高く抽出したコレクションライン「edition HORIZONTAL」に安宅が強く惹かれ、その世界観に触れる機会を関西でもつくりたいという想いから開催に至ったという。
初回の展示は2023年7月15日(土) から23日(日)まで開催する「Vol.1 スズキ ユウリ」。サウンドアーティストとしても活躍するスズキが、「環境音楽」をテーマに制作した「THE AMBIENT MACHINE」を中心に、音と人との関係性について考察するデザインに迫る。
展示されるTHE AMBIENT MACHINEは2種類あり、ひとつは2022年に20台限定で発表され、2023年6月にサンフランシスコ近代美術館(SF MoMA)のパーマネントコレクションに選定されたリミテッドエディション。もうひとつは6月にリリースされたばかりのオープンエディションだ。どちらも関西でははじめて展示される貴重な逸品となり、装置が織りなす美しい音のレイヤーを、ATAKAのストイックな空間で体験できる機会となる。なお、オープンエディションは店頭・オンラインショップにて受注販売も実施。
その後も8、9月には、空間設計とプロダクトデザインの両軸で幅広い作品を手がける二俣公一、素材の特性や機能を思考し、デザインを通して伝統と新たなものづくりを探求するマックス・ラムの展示へと続く。デザイナーの感性や思想が息づいたプロダクトの粋を感じ取りたい。
E&Y
E&Yは東京を拠点に家具やオブジェクトの編集と開発、製作及び販売を行うファニチャーレーベルです。そのデザインリソースは、日々進化してゆく世界中のデザイナーからによるもので、ミラノやロンドン、東京などの国内外で新作を発表し、コレクションは50作品以上になります。また、デザイナーやアーティスト、建築家と共に、プロジェクトの為のアーティスト作品やオリジナルプロダクトの開発も行っています。E&Yの作品の一部は、MoMA(ニューヨーク近代美術館)、ロンドンデザインミュージアム、パリ装飾芸術美術館、スウェーデン国立美術館などに収蔵されています。
スズキユウリ
1980年東京生まれ。99年〜2005年、アートユニット明和電機に携わり「音楽とテクノロジー」に関心を持ち、2005年Royal College of Artへ入学。音楽と音がどのように思考に影響を与えるのか、音と人の関係性について提議した作品を制作し、そのサウンドアート作品とインスタレーションは、世界中の展示会に展示されている。2013年より、Royal College of Artのデザインプロダクツ科にて教鞭を執り、ニューレディオフォニック・ワークショップのメンバーとしても指名される。2014年には、DIY楽器OTOTOがMoMAのパーマネントコレクションに選定された。2018年より、世界最大のインディペンデントデザインコンサルタンシーPentagramで共同経営者を務める。二俣公一
1975年鹿児島生まれ。福岡と東京を拠点に空間設計を軸とするケース・リアル(CASE-REAL)とプロダクトデザインに特化する二俣スタジオ(KOICHI FUTATSUMATA STUDIO)の両主宰。国内外でインテリア・建築から家具・プロダクトに至るまで多岐に渡るデザインを手がける。主なプロダクト作品に、「HAMMOCK(E&Y)」「in the sky(E&Y)」「valerie_objects のためのカトラリー(valerie_objects)」「キウル ベンチ(Artek)」など。デザインした真空管アンプ「22(EK Japan)」はサンフランシスコ近代美術館の永久所蔵品となっているほか、その他受賞多数。2021 年より神戸芸術工科大学客員教授を務める。MAX LAMB(マックス・ラム)
1980年生まれ。英国西部臨海に位置する田園の街コーンウォールで幼少期を過ごし、自然を愛する気持ちや、物を作るという精神とともに、伝統的な方法と、従来の型にはまらない方法の両面から素材の探求を行うようになる。現在も、素材が本来持っているよさを活かしながら、その機能を再考し、コミュニケーションにおいて効果的なシンプルなデザインを通して、プロダクト、メーカー、ユーザー三者の間に良い関係性を生み出そうとしている。ノーサンブリア大学卒業後、2006年にロイヤル・カレッジ・オブ・アート(RCA)修士号を取得。レクチャーやワークショップのリーダーを務めつつ、ロンドンを拠点に、伝統的な素材の考え方を用い、自ら行程に携わる事で新しいデザインを生み出す活動を行っている。
会期:
Vol.1 スズキ ユウリ
2023年7月15日(土)〜 7月23日(日)Vol.2 二俣 公一
2023年8月5日(土)〜 8月13日(日)Vol.3 マックス・ラム
2023年9月16日(土)〜 9月24日(日)時間:13:00〜19:00
会場:ATAKA
※会期中無休、予約不要
問合:info@ataka-jp.com
協力:E&Y