大阪・中之島の国立国際美術館で開催される特別展「ホーム・スイート・ホーム」は、アンドロ・ウェクア、竹村京ら国内外で活躍する現代美術作家たちの作品を通じて、「ホーム」――「家」そして「家族」とは何か、所属する地域、社会の変容、普遍性を浮かび上がらせる試みだ。
「ホーム」という言葉には、物質的な家、また家に集う集合体である家族、故郷そして祖国の意味がある。例えば、2020年初頭に登場した新型コロナ感染症拡大の中で、特に感染症拡大の初期には、予防の観点から「ステイホーム」という言葉が頻繁に使われ、物理的な「家」にとどまることが求められた。また、難民問題はパンデミック以前から存続する問題だが、2022年2月のウクライナへのロシア侵攻も多数の新たな難民を生み出し、祖国・故郷というホームの別義に含まれる意味を私たちに突きつけた。
本展の出品作家の1人、鎌田友介は、日本、韓国、台湾、ブラジルなどに建てられた、20世紀の歴史が交錯する日本家屋をリサーチし、忘れ去られようとする現代日本の歴史を展示室内に作品を通じて再構築する。またジョージア出身ドイツ・ベルリン在住のアンドロ・ウェクアは、ロシアの侵略により故郷を追われた体験から独特な世界観を絵画、彫刻を通じて提示する。
タイトルの「ホーム・スイート・ホーム」は、愛しい我が家などとも訳せられ用いられてきました。 ビターな社会が続く中で、私たちのホーム・スイート・ホームを見つめ直します。
(本展プレスリリースより)
会期:2023年6月24日(土)~9月10日(日)
会場:国立国際美術館 B3階展示室
出品作家:アンドロ・ウェクア、マリア・ファーラ、鎌田友介、石原海、竹村京、潘逸舟
時間:10:00~17:00
※金曜、土曜は~20:00 ※入場は閉館の30分前まで休館:月曜
※ただし、7月17日は開館、翌18日は休館料金:一般 1,300 円(1,100 円)大学生 800 円(500 円)
※ ( )内は 20 名以上の団体および夜間割引料金(対象時間:金曜・土曜の 17:00~20:00)問合:06-6447-4680
関連イベント
アーティスト・トーク
日時:6月24日(土)、25日(日)両日とも14:00~
会場:国立国際美術館 B1階講堂
講師:24日(土)マリア・ファーラ、竹村京、アンドロ・ウェクア/25日(日)鎌田友介、潘逸舟
定員:先着100名 ※当日10:00からB1階インフォメーションにて整理券を配布(1人につき1枚)
料金:参加無料同時開催
コレクション展「コレクション1 80/90/00/10」
会場:国立国際美術館 B2階展示室
出品作家:村上隆、柳幸典、アンディ・ウォーホル、ロイ・リキテンスタイン、マイク・ケリー、奈良美智、中原浩大、ヤノベケンジ、國府理、西山美なコ、会田誠、町田久美、森千裕、森村泰昌、福田美蘭、シンディ・シャーマン、アストリッド・クライン、やなぎみわ、アラヤー・ラートチャムルーンスック、シェリー・レヴィーン、ローリー・シモンズ、エルヴィン・ヴルム、ロバート・ゴーバー、須田悦弘、小沢剛、トーマス・シュトゥルート、束芋、高松次郎、アレクサンダー・コールダー、ジョアン・ミロ、マリノ・マリーニ、マーク・マンダース (出品作家は変更となる場合あり)
大阪府大阪市北区中之島4丁目2−55