キュレーター・山本アヤカ(TEZUKAYAMA GALLERY ギャラリーアシスタント)が立ち上げたBABEL 派が主催する企画展「BABEL派 vol.1」が、大阪市旭区の大阪市立芸術創造館にて開催される。
出展作家は、呉本俊松、サラ・ミリオ& ソー・ソウエン、髙倉大輔、山本剛の5名。
BABEL派は“劇場”というなにかを 共有/つなぐ ことに特化した空間で展覧会を開催する取り組みをはじめました。
団体名は文字通り旧約聖書「創世記」に登場するバベルの塔が由来です。
言語のわかれ・混乱・ごちゃまぜ。聖書内では戒めの物語として描かれ、人々が別れ散った原因と言われていますが、様々な言語があり、様々な人種があり、様々な芸術がある、私はその混沌さに魅力を感じたのです。
今回初となるBABEL派の展覧会では、空間、人、想い、芸術をつなぎあわせ、日常とは異なるある種の混乱から、気付くと「見ているのか」「見られているのか」境界線が曖昧になり揺らぎ続ける空間作りを試みます。普段、演劇を観に来られるお客さまが入る場所(客席・舞台面)だけではなく、楽屋や練習室も会場として利用しているため、美術の展覧会でありながらも、演劇が出来上がる裏側も感じていただける空間となっております。
舞台面:山本剛
客席:呉本俊松
楽屋:サラ・ミリオ& ソー・ソウエン
稽古場:髙倉大輔–
呉本 俊松 | Toshimatsu Kuremoto – 彫刻
1950 年長野県生まれ、1973 年大阪芸術大学美術学科卒業。
呉本のつくり出す作品は遠いまなざしをしており、彼らの前に立つと、人と人の間にある”壁”を思い出します。それぞれに孤独があり、悩みがあり、憧れがある。都市に住む彼らは、それらの想いを他者に知らせることなく、孤りで楽しんでいるようにも見受けられます。だからこそ、私たちの内側には誰に知られずとも進まなければならない道がある、ということを作品を通して再認識させられるのです。サラ・ミリオ & ソー・ソウエン | Sara Milio & Soh Souen – 映像・パフォーマンス
サラ・ミリオ:1996 年生まれ。アムステルダムとバリを拠点に活動。
ソー・ソウエン:1995 年生まれ。福岡を拠点に活動。
過去に福岡市美術館、√ K Contemporary (東京)などにてパフォーマンスを実施。自己の脆さや不確証さ、「他者と通じあうことはいかにして可能か?」という、誰しもが一度は悩んだ(悩んでいる)であろう問いに、彼らの作品は挑み続けています。それはある種の危うさや緊張感を生み出しながらも、わたしたちに寄り添うような空間を生み出すことでしょう。髙倉 大輔 | Daisuke Takakura – 写真
1980 年埼玉県生まれ、東京都在住。立教大学法学部法学科卒業。役者として演劇の世界に入り、その後写真活動開始。
事前に被写体のルーツや想いを探り物語を立ち上げ、演出をつけながら撮影、さらにそれを用いて一つの作品を完成させていくため、動かない作品でありながらも彼らの人生を演劇として鑑賞しているかのように感じる瞬間があります。鑑賞者は個人の内にある様々なコミュニケーションや選択肢から生まれる表情や動作に導かれ、共感や喜び、焦り、驚き……など。あらゆるココロを体験することとなります。山本 剛 | Tsuyoshi Yamamoto – 彫刻
1967 年生まれ、大阪在住。1991 年に大阪芸術大学美術学科卒業。
その後1997 年に株式会社アートストックを設立。
山本の制作の背景には ”ナガレ” と”欠落” があります。作家が完璧を目指しつくりあげた流線とそれを否定するかのように、どこか、何かが足りない箇所が存在するのです。躍動感があり、物語性を強く孕んだ作品は鑑賞者にあらゆる解釈をもたらします。(プレスリリースより)
企画展「BABEL派 vol.1」
会期:2023年12月1日(金)~4日(月)
会場:大阪市立芸術創造館
時間:13:00~20:00
料金:1,000円
出展作家:呉本俊松、サラ・ミリオ& ソー・ソウエン、髙倉大輔、山本剛
大阪市旭区中宮1-11-14