“大阪ミナミの観音さん“”みってらさん”と呼ばれ地元に愛されてきた七宝山 大福院 三津寺が、2020年1月から行ってきた大改築工事を終え、2023年11月26日(日)に完成。そのお披露目として、落慶特別参拝をはじめ、参拝者を迎え楽しむトークやライブなどのイベントが、同年12月3日(日)まで行われる。
西暦744年に開創した三津寺は、十一面観世音菩薩を本尊とし、薬師如来や弘法大師、愛染明王など平安から江戸時代の仏像を数多く祀る真言宗寺院だ。現在の本堂は1808(文化5)年に建立され、大阪市内では珍しい、第二次世界大戦の戦火を免れた江戸期の木造建築であり、天井に描かれた100を超える色とりどりの花卉(かき)図、漆や金箔・色絵で彩られた柱や彫刻など、豪華絢爛な江戸美術の荘厳とその歴史を現代に引き継ぐ存在として知られる。
大改築プロジェクトは、1933(昭和8)年に建てられた、鉄筋庫裡の老朽化による建て替えに加え、この本堂を次の100年へつなぐことを目的にスタート。三津寺と東京建物株式会社、株式会社カンデオ・ホスピタリティ・マネジメントが連携し、難波や心斎橋を訪れる人々がまちを行き交うなかで、より寺の歴史や仏教文化・美術に親しめる、ホテルと一体化したユニークな空間の創出を目指した。
そして今回、生まれ変わった寺の境内や新設された茶室などの内覧とあわせ、本堂を一般公開する落慶特別参拝、護摩法要などを開催。加えて、生物学者の福岡伸一氏を迎えたトークや、今回三津寺のテーマソング「三津寺絵巻」を制作した馬喰町バンド、僧侶・巫女から大学講師、デザイナー、中学生まで幅広い層のメンバーが実験的に雅楽を奏でる夜多羅のライブも実施。現代における地域に向け、寺という場を開いていく。
また、三津寺と同寺院が根ざす御津地域の歴史・カルチャーをめぐるローカルガイド『ME -御津と三津寺のこれまでとこれから-』も、11月下旬にLLCインセクツから発刊される予定だ。
「大阪歴史博物館 大澤館長と御津さんぽ」や津村記久子による「御津短編小説『三津寺筋にまつわるわずかな思い出』」、「ミナミのしごとと暮らし」と題し、地域ゆかりのクリエイターや老舗店、市井の人々の声を集めたコンテンツなどを多角的に収録。鈴木裕之や谷小夏、朝野ペコ、木村耕太郎といった大阪拠点のイラストレーターによる個性溢れる作画、デザイナーの仲村健太郎(paperCデザインレビューでもおなじみ)が手がける表情豊かな誌面も目に楽しい。寺の役割や未来を考察し、これからのまちを楽しむ手がかりとなる1冊とともに、新たな三津寺の落慶に立ち会ってほしい。
三津寺落慶特別参拝
期間:2023年11月26日(日)〜12月3日(日)
会場:七宝山大福院 三津寺スケジュール:
関係者のみ
11月26日(日)
落慶法要一般公開
11月27日(月)
14:00〜18:00 落慶特別参拝 ※売り切れ11月28日(火)
14:00〜18:00 落慶特別参拝11月29日(水)
16:00〜20:00 落慶特別参拝&愛染護摩法要11月30日(木)
14:00〜18:00 落慶特別参拝&御供茶法要・茶室開き12月1日(金)
14:00〜18:00 落慶特別参拝12月2日(土)
10:00〜11:30、11:30〜13:00 仏様との御縁結び 結縁灌頂 ※売り切れ
14:00〜18:00 落慶特別参拝&ゲストトーク(ゲスト:福岡伸一/生物学者)12月3日(日)
10:00〜11:30、11:30〜13:00 仏様との御縁結び 結縁灌頂
14:00〜18:00 落慶特別参拝&ゲストライブ(馬喰町バンド、夜多羅)※各イベントの詳細および料金、チケット購入は三津寺Webサイトを参照
『ME -御津と三津寺のこれまでとこれから-』
価格:1,650円(税込)
仕様:144ページ/B5変形
発売元:LLCインセクツ
大阪市中央区心斎橋筋2-7-12