2021年から2〜3か月に1度のペースで開催されているクラブイベント「大工時間」。その16回目が、2024年8月4日(日)に、北加賀屋のClub Daphniaにて開催される。
大工時間は、ともすれば危険なイメージが抱かれがちなクラブで、誰もが安心して楽しめる環境をつくりたいというコンセプトで企画されている。(詳細は後掲のステイトメント参照)
今回は、アジアンカルチャーにフォーカスを当てたクラブミュージックと、「個人」をテーマとしたZine Festのコラボイベント。
ライブには、中国・成都で活躍するKaishandaoを招き、日本からは大阪のYPY、名古屋の食品まつりが参戦。電子楽器を用いたそれぞれの表現が展開される。
また、関西で不定期に開催しているOsaka Zine + DIY Festとのコラボレーションにより、「大工時間+OZDF presents Osaka Perzine Fest」を会場内で実施。来場者同士がzineを通じて見たり、知ったり、語りあったりできる場を作り出す。
Kaishandao
Kaishandao(開山刀、中国語で「鉈」の意)はNZ・ウェリントン出身で、中国・成都を拠点とするプロデューサー。幅広い音楽に影響を受けたKaishandaoの音楽は、テクノ、ハウス、エレクトロニカの境界を刺激し、ローファイとハイファイの間の世界を探求する。
2021年にリリースされたデビューEP『Homeland』によって、中国国内のクラブシーンにおける確固たる中心的存在に。Boiler RoomやNTSへの出演と並行して、ドリームウェーブ・トリオ「WOMB」や日本のインディーズ・デュオ 「the fin」のリミックスも手かげている。YPY
日野浩志郎によるソロプロジェクト。佐渡を拠点に活動する太鼓芸能集団 鼓童とは2019年以降コラボレーションを重ねており、音楽映画「戦慄せしめよ/Shiver」(2021、監督 豊田利晃)では全編の作曲を日野が担当し、その演奏を鼓童が行った。
音楽家・演出家のカジワラトシオと舞踊家・振付家の東野祥子によって設立されたANTIBODIES Collectiveに所属する他、振付師Cindy Van Acker「Without References」、映画「The Invisible Fighit」(2024年公開、監督Rainer Sarnet)等の音楽制作を行う。エストニアフィルムアワードEFTA2024にて映画「The Invisible Fighit」の最優秀作曲賞を受賞。食品まつり a.k.a foodman
名古屋出身の電子音楽家。2012年にNYの〈Orange Milk〉よりリリースしたデビュー作『Shokuhin』を皮切りに、〈Mad decent〉や〈Palto Flats〉など国内外の様々なレーベルからリリースを重ね、その後のワールドツアーではUnsound、Boiler Room、Low End Theoryに出演。2021年7月にUKのレーベル 〈Hyperdub〉から最新アルバム『Yasuragi land』をリリース。アルバムは Pitchforkの「The Best Electronic Music of 2021」やMusic Magazine、ele- kingなど国内外のメディアの年間ベストに選ばれた。
自身のルーツの一つでもある沖縄を背景に、シカゴ・フットワークからのインスパイアから浮かび上がる特異のサウンドはニューエイジやアンビエントとひも付きながら、様々なスタイルの音楽を生み出している。
私たちが“カッコよくておもしろい”と思えるクラブイベントをめざして
高度にデジタル化された現代社会において、”その場”でしか味わうことのできない音体験は近年再評価されています。そのことを示すように、クラブ文化における最先端都市、ドイツのベルリンはクラブ体験を目的とした観光が盛んであり、コロナ前には年間15億ユーロ(約1840億7000万円)の夜間観光収入を生み出してきました。
本来クラブとはクィアな人々や有色人種など誰にでも開かれた場であり、誰もが自由に音を楽しめる場として受け継がれてきました。しかし、しばしば「クラブ」には危険なイメージがつきまとい、そのことが純粋な音楽体験を目的とした人々の参加を妨げているのが現状です。最高の音響環境で音に没入する、その快楽を享受するにはどのような条件が必要でしょうか。誰もこぼれ落ちることなく、何の不安も感じず、みんなが心から楽しめる遊び場こそ“カッコよくておもしろい”はず。私たちは、そんな場を自分たちが作っていくんだという思いを込めて大工時間を開催しています。どうしたら誰にとっても安心で安全な遊び場が作れるのかについてまだまだ模索中ですが、以下のようなことに取り組んでいます。
・ステイトメント(私たちの思い、セクハラ反対などの声明文)を掲げる ※資料1
・ダンスフロアやバーカウンター以外にも、図書スペース、フードスペース、占いスペース、休憩スペースな
どを確保する ※資料2
・LGBTQ+やフェミニズムコミュニティで活躍する国内外のアーティストを積極的に招致する
・日曜日の昼に開催(夜開催の回もあります)
・会場入口の段差にスロープを設置する–
資料1 大工時間宣言(ステイトメント)
おもろい遊びがしたい。
そのおもろさから誰もこぼれ落ちることのない時間をつくりたい。
色んなルーツを持つ人、
色んな事情を抱えてる人、
色んな生き方をしてる人に開かれた空間として、
クラブって受け継がれてきたはず。
ひとりきりで安心して音の世界に飛びこむ。
それぞれの瞬間や冒険が「めっちゃおもろいな」って交差する。
大工時間はそんなパーティをつくりたい。
差別やハラスメントには絶対反対。
でも、自分も含めてそれが起こらんための正解ってなんなんやろ。
自分とはちゃう人たちに寄り添う気持ちをもって、一緒に考えていきたい。
このパーティをどう楽しむかはあなたの自由。
最低限のルールさえ守れば、どんな人にも扉は開かれてる。
いっぺんぐらい、他人の視線気にせんと踊ってみたらどうやろう。
一緒におもろい時間、つくれへん?【大工時間 鉄の掟】
・勝手に身体に触らない
・「嫌」と言われたら潔く引き下がる
・自分の常識を押し付けない
・わからないことは相手に直接聞いてみる
【ダンスフロアのすゝめ】
・自分の楽しみ方を見つける
・嫌なことは嫌と言う
・困ったらすぐスタッフに相談する
・困っていそうな人がいたら声をかけてみる資料2 様々なスペース
大工時間では、フロアから離れて少し休憩するスペースなどを確保するとともに、どんな楽しみ方をしてもいい、自分の楽しみ方や表現の仕方を見つけてほしいという思いを込めて、食べる、読書する、おしゃべりする、などのスペースも設けています。
<主なスペース>
・フードスペース:「maru」によるスイーツ、地元の飲食店「シルビア」のフード(次回8月4日の出店)
・占いスペース:タロット占い(a!yako)
・読書スペース:「大工読書時間」、メンバーが選書し持参した書籍(マンガやZINE、文庫本など)を自由に読書できる。(プレスリリースより)
日時:2024年8月4日(日)14:00〜22:00
会場:Club Daphnia
入場料:2,500円(各種割引2,000円)
Live:
Kaishandao (Chengdu)
YPY (Osaka)
食品まつりa.k.a foodman (Nagoya)DJs:
Ascalypso
木下製麺所
mark300
湯湯婆VJ:
ハヴファンノ助Lighting:
Ruriko HosonoFood:
シルビア(北加賀屋)Sweets:
maruタロット占い & 謎解き:
a!yakoMisc:
大工100均時間
大工図書館時間
大阪市住之江区北加賀屋5-5-1