建築家の妹島和世が手がけ、大阪芸術大学のアートサイエンス学科の拠点として2018年11月にキャンパス内に生まれた新校舎。その構想から完成までの3年6ヶ月の時間を追ったドキュメンタリー『建築と時間と妹島和世』が、10月9日(金)よりシネ・リーブル梅田にて上映される。
最先端のサイエンスやテクノロジーを生かし、新時代のクリエイターを育成する学科の学び舎に妹島が込めたのは、「公園のような建物」という想いだ。設計・建築にあたっては、建物が立つ木々に囲まれた「丘」と一体化していること、また、さまざまな方向から出入りできるような「開かれている」建物であること、そして、分野の異なる学生との出会いを生み、互いのアイデアや知識を共有する「交流の場」であることを重視した。本作では、新校舎がかたちづくられる過程を辿りながら、妹島というひとりの建築家が建築に向き合う姿を見つめる。
監督・撮影をつとめたのは、ル・コルビュジェや丹下健三などの建築物を撮影してきた写真家のホンマタカシ。90年代に妹島と出会って以来、彼女が手がけた建築を写真に収め続けている。本作は、妹島の作品を通して、ホンマが立ち上げた「もうひとつの作品」といえる。
妹島和世
建築家
1956年茨城県生まれ。
1981年日本女子大学大学院家政学研究科を修了。
1987年妹島和世建築設計事務所設立。
1995年西沢立衛とともにSANAAを設立。
2010年第回ベネチアビエンナーレ国際建築展の総合ディレクターを務める。
日本建築学会賞※、ベネチアビエンナーレ国際建築展金獅子賞※、プリツカー賞※、芸術文化勲章オフィシエ、紫綬褒章などを受賞。
現在、ミラノ工科大学教授、横浜国立大学大学院建築都市スクール(Y-GSA)教授、日本女子大学客員教授、大阪芸術大学客員教授。
※はSANAAとして。ホンマタカシ
写真家
1962年東京生まれ。
1999年、写真集「東京郊外 TOKYO SUBURBIA」(光琳社出版)で第24回木村伊兵衛写真賞受賞。2011年から2012年にかけて、個展「ニュー・ドキュメンタリー」を日本国内三ヵ所の美術館で開催。
著書に「たのしい写真 よい子のための写真教室」、近年の作品集に『THE NARCISSISTIC CITY』(MACK)、「TRAILS」(MACK)がある。
また2019年に「Symphony その森の子供 mushrooms from the forest」(Case Publishing)、「Looking Through Le Corbusier Windows」(Walther König, CCA, 窓研究所)を刊行。
現在、東京造形大学大学院 客員教授。(『建築と時間と妹島和世』公式Webサイトより引用)
日時:2020年10月9日(金)〜
会場:シネ・リーブル梅田
料金:一般1,600円、大学生・専門学生1,200円、その他各種割引適用可
問合:06-6440-5930
※上映スケジュールは、シネ・リーブル梅田 Webサイトを参照
大阪市北区大淀中1-1-88
梅田スカイビルタワーイースト3・4F