2021年2月27日(土)より全国で封切りとなった、アートユニット・小森はるか+瀬尾夏美の最新映画『二重のまち/交代地のうたを編む』。その公開に合わせた特集上映「映像作家・小森はるか作品集 2011-2020」が、2021年4月3日(土)よりシネ・ヌーヴォにて開催される。
東日本大震災が起きた翌年の2012年、当時東京藝術大学の学生だった小森は、同級生の瀬尾とともに岩手県陸前高田市に移住。土地に暮らしながら、人々の営みや刻一刻と変わりゆく風景を記録してきた。その後2015年には宮城県仙台市に拠点を移し、東北で記録・表現活動を行う仲間とともに一般社団法人NOOKを発足。せんだいメディアテークなどの文化施設や市民団体、アーティストとも協働し、土地や人の記憶を受け渡す表現をさらに模索し続けている。
本特集は、そうした小森の活動の歩みを辿る。ラインナップのひとつ、ソーントン・ワイルダーの戯曲『わが町』第3幕を劇団員が稽古する様子と、田舎町で暮らす少女の一日が折り重なる『the place named』は、彼女の学生時代の作品。陸前高田への移住前、ボランティアで東京と行き来し、記録と表現について思案するなかで出演者とともに脚本から制作したものだ。
また、復興工事が進む陸前高田のかつての町跡を住民と歩き、記憶や感情から立ち上げられた物語の朗読と、風景を映像で折り重ねた『波のした、土のうえ』など、ユニット・小森はるか+瀬尾夏美の作品も。このほか、津波で流されたまちに生きる人の姿と時間を見つめた近作『息の跡』『空に聞く』、仙台在住の美術作家・青野文昭の制作風景を追ったドキュメンタリー『かげを拾う』など劇場初公開作品が並ぶ。
なお、2011年の震災と離れた場所・時間軸から陸前高田にやってきた4人の若い旅人とともに、住民の体験や記憶を聞き、語り継ぐ営みを写した最新作『二重のまち/交代地のうたを編む』も、シネ・ヌーヴォにて同時公開する。
小森はるか(こもり・はるか)
1989年静岡県生まれ。映像作家。映画美学校12期フィクション初等科修了。東京藝術大学美術学部先端芸術表現科卒業、同大学院修士課程修了。2011年に、ボランティアとして東北沿岸地域を訪れたことをきっかけに、画家で作家の瀬尾夏美と共にアートユニット「小森はるか+瀬尾夏美」での活動を開始。翌2012年、岩手県陸前高田市に拠点を移し、人々の語り、暮らし、風景の記録をテーマに制作を続ける。2015年、仙台に拠点を移し、東北で活動する仲間とともに記録を受け渡すための表現をつくる組織「一般社団法人NOOK」を設立。2015年、長編映画第一作となる『息の跡』が山形国際ドキュメンタリー映画祭2015で上映され、2017年に劇場公開。2018年に製作した『空に聞く』は、あいちトリエンナーレ2019、山形国際ドキュメンタリー映画祭2019、第12回恵比寿映像祭で上映され、2020年に劇場公開。2021年、「小森はるか+瀬尾夏美」の最新映画『二重のまち/交代地のうたを編む』を劇場公開。
日時:2021年4月3日(土)〜16日(金)
会場:シネ・ヌーヴォ
料金:一般1,500円、学生・シニア1,100円、会員・高校生1,000円
※鑑賞3日前から窓口およびオンラインにてチケットの購入が可能
※上映スケジュールの詳細はシネ・ヌーヴォWebサイトを参照
関連情報
日時:4月3日(土)〜16日(金)
会場:シネ・ヌーヴォ
料金:一般1,800円、学生・シニア1,100円、会員・高校生1,000円
※4月17日(土)からはシネ・ヌーヴォXにて上映
※上映スケジュールの詳細はシネ・ヌーヴォWebサイトを参照
トーク①
日時:2021年4月3日(土)『二重のまち/交代地のうたを編む』14:10上映回後
登壇:小森はるか+瀬尾夏美、長崎隼人(本作グレーディング)
トーク②
日時:2021年4月4日(日)『二重のまち/交代地のうたを編む』14:10上映回後
登壇:坂井遥香(本作出演者)、小森はるか+瀬尾夏美