大阪を中心に活動する横山拓也主宰の演劇ユニット・iakuの新作公演『フタマツヅキ』が東京・シアタートラムと大阪・ABCホールで開催される。
iakuの作品には、関西弁の会話劇を軸に、登場人物の心の葛藤が丁寧に描写されているイメージが強いが、今回はいわゆる「標準語」での台詞中心の劇世界が繰り広げられるという。
舞台は二間続きの向こうの部屋、市営団地の狭い空間だ。何度もつまずきながらネタを繰り返し練習する、元噺家の父親役にモロ師岡。饒舌に語り尽くす、コメディアンの顔ももつ彼が、「たったひとつのネタすらまともに覚えられない、噺家くずれ」の役をどのように演じるのか注目したい。また、父親に反発し、「失われた20年」と呼ばれた困難の2000年代を生きてきた息子役は杉田雷麟だ。さまざまなフィールドで活躍するキャストを迎え、一筋縄ではいかぬ家族の関係を描く。
本企画について
iakuは2012年に劇作家の横山拓也が大阪で立ち上げた演劇ユニットです。緻密な会話が螺旋階段を上がるようにじっくりと層を重ね、いつの間にか登場人物たちの葛藤に立ち会っているような感覚に陥る対話中心の劇を発表しています。主に関西弁を用いたセリフ劇を多くつくっていますが、今回はいわゆる標準語でのやりとりで紡ぎます。元噺家のダメ親父役にベテラン俳優・モロ師岡さん、その息子役に今回が初舞台の新進俳優・杉田雷麟さんを迎えます。父と息子のドラマを中心に、現代社会で起こり得る、あまたの問題を抱えたリアルな家族関係を描きます。他に、劇団俳優座に書き下ろした横山作品に2度出演の清水直子さん、iaku常連の橋爪未萠里さん、iaku立ち上げ前から横山が熱視線を送っていたザンヨウコさん、劇作家・演出家としての高い評価とともに俳優としても魅力溢れる平塚直隆さん、過去に何度も出演依頼をしてきてようやく出演が叶った長橋遼也さん、今年2月のENBUゼミナールの公演(横山演出)で見出した鈴木こころさんが出演。iakuならではと言えるこのキャストの並び。活躍のフィールドも、活動地域も、キャリアもバラバラ。ですが、作品に集い、作品に貢献してくれるメンバーが揃ったと思っています。会場は、いつかここでやれたらと思っていた憧れのシアタートラム(東京)と、いつかiakuとしてここに戻って来られたらと思っていたABCホール(大阪)。規模的なチャレンジもありますが、この数年培ってきた中劇場での上演の集大成として取り組みます。
(iaku Webサイトより)
iaku『フタマツヅキ』大阪公演
期間:2021年11月12日(金)~14日(日)
※10月28日(金)~11月7日(日)はシアタートラムでの東京公演会場:ABC ホール
料金:一般 前売4,000 円、当日4,500円
25歳以下 前売・当日とも2,000円
高校生以下 前売・当日とも1,000円
※未就学児童入場不可。ギフトチケット制度あり問合:0570-00-3337 (サンライズプロモーション東京 月~金曜12:00~15:00)
作・演出:横山拓也
出演:モロ師岡、杉田雷麟、清水直子(劇団俳優座)、橋爪未萠里、ザンヨウコ、平塚直隆(オイスターズ)、長橋遼也(リリパットアーミーⅡ)、鈴木こころ
大阪市福島区福島1-1-30