2014年、関西で活動するジャグラーを中心に結成されたジャグリング・ユニット・フラトレス。ジャグリングの公演としては珍しく台詞があり、物や道具を使ったジャグラーならではの演技と言葉が融合した舞台で注目されるフラトレスが、劇団ままごと主宰・柴幸男の代表作である『わが星』を上演する。今回大東市立文化ホールで行われるワークインプログレス公演は、2022年5月に予定している本公演の前段階として、2021年12月18日(土)に1日限りで開催される。
ままごとの『わが星』は2009年に初演された。団地に住む家族の物語に、惑星が生まれて燃え尽きてしまうまでの100億年が重ねられた音楽劇は大きな反響を呼び、その後も再演を重ねてきた。もう消滅した星が放つ100億年前の光を見ることのかけがえのなさ、郷愁、人と人が(あるいは星と星が、星と人が)出会う喜び、別れの悲哀、さまざまな感情が湧き起こり、端田新菜演じるちーちゃん(地球)の切々とした芝居は見る者の心を打つ。
夜空に瞬く無数の光 今そのひとつが消えた
そのことに誰も気がつかない だって夜空は広すぎるからかつてあの星には色んな人が住んでいて
幾度となく慈しみあって争いあって そして静かに滅んでいった
僕は彼らを思い出す いつか僕のことも誰かが思い出すのだろうかあの星の話をしよう そこに暮らしていた人々の話 今はもう誰も知らない話
星の誕生から滅亡までをひそやかに語る今回はそんな “ままごと”
(ままごとWebサイトより)
『わが星』は、ラップ調の発語に時報のサンプリング音が交ざった豊かな音の世界、円を描くような集合体のダンスや、繰り返されるシーンにこそ現れる人の有機的な動きが特徴的だ。私たちは、観劇の1秒1秒を星たちの壮大な時間軸に置き換えて一生懸命想像する——なるほど、ジャグリングで用いられるボールは惑星を思わせるし、ジャグラーがボールなどの物を次から次へと投げ上げて、弧を描くさまは惑星が太陽の周りをまわるその軌道に見立てられるのかもしれない。ラップや音楽、ダンスとともにジャグリングのパフォーマンスが加わることをイメージすると、『わが星』の劇世界が別のかたちで鮮やかに見えてくるように思われた。
当日は本編3シーンの一部を上演し、演出部との対談を行う。また、質疑応答を通して観客からのフィードバックを受けることで、本公演『わが星』をより良くしていくことを目指すという。発売してすぐに完売となっていたが、会場の観客収容率の規制緩和により11月末から増席したとのことで、貴重な機会に参加できそうだ。
ジャグリング・ユニット・フラトレス
ワークインプログレス公演『わが星』日時:2021年12月18日(土)18:00~
※受付開始は開演の40分前、開場は開演の30分前
※公演時間は約60分を予定会場:大東市立文化ホール(サーティホール)多目的小ホール
チケット料金:前売1,500円、当日2,000円
チケット取扱:PassMarket(電子チケット、事前決済)
※当日券は現金、PayPayでの支払いのみ可お問合せ:fratres.juggling@gmail.com
作:柴幸男
演出・脚色:宮田直人出演:黒田ゆかり、きゃな子、梶原くみ、ツジコウイチ、大形駿也、岩本一輝、江崎遥、上月梓矢、笹生明日香、那須真吾、宮田直人、吉屋太一
演出助手:上月梓矢
ドラマトゥルク:水鳥川岳良
楽曲製作:Asahi Tanioku
舞台監督:小林誠司
音響:平野美羽
衣装:お針子かえり。
宣伝美術・撮影:木村太郎
広報:田代馨一、那須真吾、岩本一輝、笹生明日香
票券:西川拓
協力:ままごと、私見感、TOMAGUILD、天使の黄昏、劇的☆ジャンク堂、ぽんこつチョップ、コッコア、劇団まっコイ
主催:ジャグリング・ユニット・フラトレス文化庁「ARTS for the future!」補助対象事業
※新型コロナウイルス感染症対策については、ジャグリング・ユニット・フラトレスWebサイトを要確認
大東市立文化ホール(サーティホール)
大東市新町13-30