障害のある人のアートを発信し、知財に関する学びと実践を行ってきた一般財団法人たんぽぽの家(以下、たんぽぽの家)が展開する「知財学習推進プロジェクト」。その今年度事業の成果報告を兼ねたオンライン学習会が、2022年3月14日(月)、15日(火)、17日(木)の3日間開催される。
たんぽぽの家では、誰もが知的財産を活用できる土壌づくりに取り組むべく、2018年から同プロジェクトを展開してきた。2021〜2022年度は、創作・表現に関わる人が知財に関する権利保護の意識をもちつつ、ライセンスビジネスや作品販売などを行う後押しを図ろうと、書籍『身近な事例から学ぶ、知的財産50のQ&A』を制作。学習会のプログラムは、本書をつくる過程のなかで行った全国の福祉施設や企業・団体へのヒアリング、社会動向の調査などをもとに構成される。
第1回の14日(月)は、基礎編として「身近な事例から学ぶ、知的財産Q&A」をテーマにレクチャーを実施。また、第2回目の15日(火)は、「障害のある人のアート活動にまつわる契約と対価」を掲げた実践編となり、作品制作・販売における先進的な取り組みを行う全国各地の福祉施設の事例を参照する。そして最終日17日(木)の第3回目は、「まもってひろげる〜知財学習のこれから」と題した知財学習総括編だ。変わりゆく時代のなかで知財をどのように学んでいけばいいかを、書籍監修に携わった検討委員、デジタルコンテンツの著作権保護や情報モラルの専門家を交えて議論する。
なお、学習会に参加しアンケートに回答すると、書籍『身近な事例から学ぶ、知的財産50のQ&A』が贈呈される。「著作権使用料って、どう決めたらいいの?」「作品が転用されちゃった!」「パクってないのに大炎上!」など、制作・発表や広報、販売、契約・保管、トラブル対応にまつわるあるある事例をひとコマ漫画で解説する本書は、創作活動を行う障害のある人や支援者のみならず、クリエイターやアート・デザインを学ぶ学生など、広く表現に関わる層にとっての手引きにもなるだろう。
【プログラム】
第1回 基礎編:身近な事例から学ぶ、知的財産Q&A
登壇:池永健介(工房まる主任)、北村(門田)英之(一般財団法人たんぽぽの家プロジェクトスタッフ)
概要:工房まるで作品展やイベント、グッズ企画を担当する池永さんと一緒に表現と知財について考えます。AIPE認定知的財産アナリスト(コンテンツ)、北村によるできたてのハンドブックを活用した知財の基礎知識ミニレクチャー付き!
進行:後安美紀(一般財団法人たんぽぽの家スタッフ)第2回 実践編:障害のある人のアート活動にまつわる契約と対価
登壇:石丸徹郎(株式会社フォーオールプロダクト(ミナトマチファクトリー)代表取締役)、大山真司(NPO法人Lanka代表)、大澤辰男(障がい者生活介護事業所アトリエライプハウス ・美術教室ライプハウス 代表/現代美術作家)、中塚翔子(エイブルアート・カンパニー東京事務局スタッフ)
概要:アート活動をしていくと必ず出てくるのが、契約と対価の問題です。施設と障害のあるアーティストのあいだで行っているユニークな契約やお金の分配事例を石丸さんと大山さんから、施設の外側にあるギャラリーや企業等とやりとりするとき気をつけるべきことを大澤さんと中塚さんからお聞きします。
進行:森下静香(Good Job! センター香芝センター長)第3回 知財学習総括編:まもってひろげる〜知財学習のこれから
挨拶:川村匡(文化庁地域文化創生本部 総括・政策研究グループリーダー)
登壇:久保田裕(一般社団法人コンピュータソフトウェア著作権協会[ACCS]専務理事)、塩瀬隆之(京都大学総合博物館准教授)、高島雄一郎(弁護士/登大路総合法律事務所)、柴崎由美子(NPO法人エイブル・アート・ジャパン代表/エイブルアート・カンパニー東北事務局)、白石晃一(ファブラボ北加賀屋共同設立者/美術家/京都芸術大学情報デザイン学科准教授)
進行・登壇:森下静香、藤井克英(Good Job! センター香芝)、岡部太郎、大井卓也、後安美紀(一般財団法人たんぽぽの家)
*本イベントは、文化庁委託事業「令和3年度 障害者等による文化芸術活動推進事業(文化芸術による共生社会の推進を含む)『障害者アートの権利保護と作品販売等に関するハンドブックの制作』」により実施いたします
日時:2022年3月14日(月)、15日(火)、17日(木)各回18:00〜20:00
開催方法:全回オンライン配信(YouTube)
料金:無料
対象: 創作活動をしている障害のある人や支援者、福祉施設職員、アートやデザインを学ぶ学生や未来のクリエイターなど、知的財産、知的財産権に興味のある人
申込方法:申し込みフォームより必要事項を記入の上送信
問合:0742-43-7055[電話]/0742-49-5501[FAX]/chizai@popo.or.jp [メール](一般財団法人たんぽぽの家 知財学習推進プロジェクト事務局)
※参加するセミナー開催日の前日まで申し込み可能(事務局より、申し込み時に入力したメールアドレス宛に視聴URLを送信)。開催当日になってもメールが届かない場合は、上記問い合わせ先まで要連絡
※参加後、アンケート回答者に書籍『身近な事例から学ぶ、知的財産Q&A』を贈呈(送付先を要記入)