From the Exhibitor
目の前にあるのに手が届かない、触れないものに、視線でふれられないかとよく考える。
子どものころに壁の模様をずっと目で追っていたように、かたちの輪郭だけを目で追って、ふれていく。
ものの正しいかたちや意味から少し離れて、そのときの視線の揺らぎや、そのとき見ていたということそのものに絵でふれたい。
描きすすめていくときに、かたちが見えてくる直前のような、
何が描かれているか見えてもいるし見えていなくもあるそのギリギリの予感を絵にとどめたい。
絵に描いてもその景色は、目の前にいるまま遠くにいてほしい。ー
Profile
1995年京都府生まれ。2019年成安造形大学芸術学部芸術学科 美術領域洋画コース 研究生 修了。
自分が見た風景を写真に残し、記憶と写真という主観的な視線と客観的な視線のある景色を行き来しながらドローイングを重ね、油絵を描く。
油絵では視線の揺らぎや形の曖昧さを、グリッドで分割した画面によって表現している。
風景の再現ではなく自分がその場にいて見ていたことそのものを掴もうとしている。主な個展に 「季節の変わり目、風のすきま」(氵、京都、2023)、「空白にふれて海面が光る」(RISE GALLERY、東京、2021) 、「空としろのあいだ」(成安造形大学ギャラリーキューブ、滋賀、2017)
主なグループ展に「風のあと、呼吸の輪郭」(KATSUYA SUSUKI GALLERY、東京、2024)、「FACE2023」(SOMPO美術館、2023、森谷佳永審査員特別賞受賞)、「植木鉢のある風景II」(ギャラリーモーニング、京都、2023)、「密室、風通しの良い窓、ぎこちないモンタージュ」(名古屋市民ギャラリー矢田、愛知、2022)など。
会期:2024年6月8日(土)~29日(土)
会場:hitoto
時間:13:00〜19:00
休廊:火・水曜
企画:hitoto
広報デザイン:タナカタツヤ
大阪市北区天神橋5-7-12
天五共栄ビル301