
いつも言葉では表せない何かを写真でやっている
2019年から制作している「心」シリーズを見ながら
浮かんできた言葉この柔らかい箱をここに置くよ
柔らかい箱って
どんなだ?俺にもよくわからない
ただ目をつむっても手触りだけは手のひらにある文・熊谷聖司
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『この柔らかい箱をここに置くよ』は、熊谷が近年継続して取り組んでいる作品シリーズ「心」を収録した写真集です。「心」は35mmフィルムで撮影し、暗室で一枚ずつ手焼きされたオリジナルプリントによる作品群で、すべての作品に通し番号が付されています。2019年に制作が始まって以来、その制作点数はすでに1,200点を超えています。
そこにはあらゆる被写体が写っていますが、作品に写る被写体の数々を列挙することに大きな意味はありません。熊谷の写真には「これは撮らない」という対象の線引きがなく、そこに在るあらゆるものが等しく熊谷の視線の対象となり、写真になるからです。
熊谷が見つめているのは、被写体そのものというよりも、それらを包み込み立ち現れさせる光や、その状態といえます。そして暗室の中でプリントする際にも、現実の色を忠実に再現することにこだわるのではなく、その写真に最も適したと感じた色彩を探りながらプリントを制作しています。何を撮るか、どのような色にするか。自由な眼差しと、像への柔軟な応答によって生まれる熊谷の実践は、「写真を撮る」というよりも「写真をする」という言葉がふさわしく感じられます。
本展では、写真集『この柔らかい箱をここに置くよ』に収録された作品をオリジナルプリントで展示いたします。また額装には、熊谷自身によるペイントが施された特別仕様のフレームを用い、作品と額装が一体となった展示空間を構成します。熊谷の作品に向き合う時間は、写真が持つ色彩とイメージをきっかけに、自らの内側にある声へ耳を澄ませる時間のようでもあります。本展が、それぞれの「心」と静かに出会う場となれば幸いです。
(ギャラリーより)–
熊谷聖司 プロフィール
1966年 北海道函館市生まれ
1987年 日本工学院専門学校卒業後、海老名享氏に師事
1992年 第1回写真『ひとつぼ展』入選
1994年 第十回写真新世紀公募 優秀賞(南條史生選)
1994年 『第三回写真新世紀展』にて年間グランプリ受賞
個展に「もりとでじゃねいろ」「あかるいほうへ」「spring,2011「EACH LITTLE THING」「RE FORM」「心」「あなた」、写真集多数。
レーベル「マルクマ本店」運営。
会期:2026年7月7日(火)〜19日(日)
会場:ギャラリー・ソラリス
時間:12:00〜19:00 ※最終日は18:00まで
休廊:7月13日(月)
料金:入場無料
熊谷聖司スライドショーと朗読会「毎日ひとつの言葉を胸に抱き生きる至福」
日時:7月11日(土)19:10〜20:10
出演:熊谷聖司、稗田晃大(音楽家・ビオラ奏者)
参加費:2,500円(税込)
定員:15名 ※申込はこちらから
大阪市中央区南船場3-2-6
大阪農林会館B1F


