美術家・森村泰昌が自らの作品展示をディレクションする、北加賀屋の「モリムラ@ミュージアム(M@M)」にて、第4回企画展「北加賀屋の美術館によってマスクをつけられたモナリザ、さえも」が開催される。
展覧会のタイトルは、マルセル・デュシャンの代表作《彼女の独身者たちによって裸にされた花嫁、さえも》から着想したもの。メインビジュアルは、このタイトル通り、レオナルド・ダ・ヴィンチの《モナリザ》に森村が扮した作品にマスクが付けられ、マスクの上には「なぜくしゃみをしない」と書かれている。この言葉もデュシャンの別作品のタイトルからの引用で、パロディがふんだんに盛り込まれているが、森村は本展の企画意図について、次のように述べている。
私が今回の展覧会でお見せしたいのは、コロナという事態をおもしろおかしくパロディ化することでも、 茶化すことでもありません。そうではなく、今世の中で起こっている事態を冷静に見つめなおした時に感じられる “異常性” について、(私は美術家なので、美術家の表現として)確認しておきたかったということ。今回のテーマは、 この一点に尽きるかと思います。
−本展ウェブサイトより引用
森村は、マスクの着用やソーシャル・ディスタンスは、“新しい生活様式” というよりも、 むしろ特殊な事情による “異常な生活様式” であると自覚すべきだと主張。本展は、今の社会状況下における、美術表現の立場からの違和感の表明、 時代の流れに対するささやかな抵抗であるという。(森村による展覧会ステートメント全文を是非ご一読いただきたい。)
展覧会では、過去作にマスクやフェイスシールドを装着した作品を展示する「距離愛のコース」と、《レンブラントの”密”》(1994)など、連作を密な状態で展示する「密の味コース」を2つの展示室で展開。“密”な空間と “距離”のある空間が対峙する 「新しい展示様式」を試みる。
会期中、関連イベントとして、未使用のアベノマスクにM@Mオリジナル加工を施す「アベノマスク再生プロジェクト」も実施。
M@M第4回企画展「北加賀屋の美術館によってマスクをつけられたモナリザ、 さえも」
会期:2020年9月18日(土)〜12月20日(日)※金・土・日曜日のみ開館
会場:モリムラ@ミュージアム(M@M)
時間:12:00〜18:00(入館は17:00まで)
定休日:月〜木曜日
料金:一般・大学生600円、高校生・中学生200円、小学生以下無料
問合:morimuraatmuseum@gmail.com
関連イベント「アベノマスク再生プロジェクト」
家に眠っているアベノマスク(未使用)を持参すると、その場でM@Mオリジナル加工を実施。デザインは当日のお楽しみ。
日時 : 会期中、常時開催
参加費 : 無料 (入場料は必要)
申込:不要
大阪市住之江区北加賀屋5-5-36 2F