2019年にはじまった「次世代映画ショーケース」。第2弾となる今回は、大阪のシネ・ヌーヴォ、神戸の元町映画館、京都の出町座およびみなみ会館の館主が、「映画館で観たい」と思う作品をセレクト。併せて各地域の文化人をトークに招き、インディペンデント映画の同時代性を見出す機会をつくるべく、2021年2月から週替わりで巡回上映を行ってきた。その最終回となる上映が、3月20日（土）、シネ・ヌーヴォでスタートする。

プログラムには、仲間がいなくても、妻子に愛想を尽かされてもひとりで自主映画をつくり続ける男を監督の中尾広道自身が演じた『おばけ』や、長い間友人同士の2人の男が散歩の果てに死の世界へとたどり着く『金太と銀次』などの作品が並ぶ。また、志賀直哉の短編小説『十一月三日午後の事』を原案に、舞台を現代のニューヨークに移し、生々しい人間の生理と感情を16ミリフィルムで描いた空音央監督の『鶏・The Chicken』、「雌鶏」が象徴する繰り返される支配を、荒涼とした土地で両親と生きる少年を中心に35ミリフィルムで表したマネル・ラガ監督の『La Gallina』をセット上映。振付家・ダンサーで映像作家の吉開菜央監督による短編特集もラインナップする。

関連イベントでは、豊かな芸術経験をもたらすインディペンデント映画の可能性を、言葉を交えながらひもといていく。初日3月20日（土）には、『金太と銀次』の舞台挨拶、空音央監督とフィルムメーカーの小田香によるトークショーが控える。