
酒場ライターとして知られるスズキナオの新刊『遅く起きた日曜日にいつもの自分じゃないほうを選ぶ』(スタンド・ブックス)が、2021年12月に発売される。本著は、2017年から2021年にかけ、QJWebやデイリーポータルZ、メシ通で配信されていたスズキの記事を一部改題・改稿して収録し、さらに書き下ろしを加えたエッセイ集。日常のなかにすこしの楽しさを生み出すアイデアが、ユーモラスかつ真摯な視点で語られていく。人や酒、店、旅などをテーマとした、スズキのロングセラー『深夜高速バスに100回ぐらい乗ってわかったこと』(スタンド・ブックス)の続編とも言える著書だ。
目次には、これまでにスズキが行ってきた「友達の生い立ちから今までについてじっくり聞く」「山で汲んできた美味しい水で焼酎を割る」「家の中のお気に入りポイント『俺んち絶景』を見せ合ってみる」「90歳、いや89歳の字書き職人・松井頼男さんと最後に会ったときのこと」などのエピソードが並ぶ。日々のなかでわざわざしないような小さな実験、また出会った人に新鮮なまなざしを向けること。それは、淡々と過ぎていく日常生活の奥行き、今あるものや人、まちとの奇跡的な巡り合いを再認識するための営みだろう。
12月4日(土)には、本著の発売記念として「手書き文字職人・松井さんとの思い出フェア」も西九条のシカクで開催。2021年春に逝去した、先の松井頼男の仕事道具や工房の写真、手がけた鏡広告の一部などが展示される。松井に取材したことを機に、普段から話を聞きに訪ねていたというスズキ。暮らしのなかにもたらされたささやかな飛躍と、それによって築かれたふたりの関係性を垣間見ることができるかもしれない。
著者:スズキナオ
発売日:2021年12月2日(木)※予定
価格:1,870円(税込/本体1,700円)
発行:スタンド・ブックス
サイズ:約19cm/308p
関連情報
スズキナオ『遅く起きた日曜日にいつもの自分じゃないほうを選ぶ』発売記念
手書き文字職人・松井さんとの思い出フェア期間:2021年12月4日(土)〜2022年1月30日(日)
会場:シカク