1962年創業の風呂の専業メーカー・日ポリ化工株式会社より、入浴文化の発信と創発の場としてカルチャーハブ「THE FLOW（ザ・フロー）」が、2024年2月26日（月）に本町の御堂筋ダイワビル1階にオープンした。

本施設の特徴は、「入浴時の高揚感をアートとして可視化するギャラリー」の機能を有する点だ。入浴本来の魅力を伝えるべく、湿度や蒸気といった要素をアートへと置き換え、アーティストの小山泰介による映像と写真の作品群を展示。入浴のもつ力を空間全体で表現し、訪れるものの鑑賞体験にフォーカスする。内装デザインを担当したのは、TERUHIRO YANAGIHARA STUDIOの柳原照弘だ。ニュートラルな空間は、小山のアートを印象深く際立たせる。温もりあるグラデーション、また水滴のモーションが壁面に反射する様子にも、知覚の奥行きが感じられるようだ。

THE FLOWへの入場は完全予約制だが、朝の7時から夜の23時まで、一部の作品は御堂筋沿いのウィンドウからも鑑賞可能。徒歩や車で通りがかった際にも、入浴を体感するエッセンスを感じることができ、特に夕方以降は、作品のイメージが夜の風景に浮かび上がりおすすめだ。また、4月15日（月）から26日（金）の期間中は、平日の17時30分から20時まで、事前予約不要で楽しめるナイトギャラリーも実施予定とのこと。

今後はもう一つの基軸として「入浴の潜在能力を探求するラボ」としての機能も拡充し、入浴と接点のあるさまざまな企業や団体、アーティスト、研究者などが空間を活用できるよう場をひらき、かつてないアプローチで “湯に浸かる”行為を掘り下げていくという。ライフスタイルや価値観の変化にあわせて入浴の意味を再考し、その可能性を追求すべく生まれたTHE FLOWは、日本から世界に向けて入浴の魅力を発信するシンボルとなるだろう。本施設のこれからに注目していきたい。