UMA、UMA、ユーマ、これは謎の未確認動物のことである。Unidentified Mysterious Animalの頭文字を取って付けられた造語で、ツチノコやビッグフット、イエティなどのような生き物を指す。オカルト好きにはよく知られた言葉だ。なんだかホラーで怖い生き物……というのは、もう過去の話かもしれない。
2023年12月9日(土)〜23日(土)、ASITA_ROOMで開催されていた「アシタノUMA展」に足を運んだ。ASITA_ROOMとは、デザインなどを手がけるクリエイティブスタジオ・アシタノシカクが運営するギャラリーだ。定期的にオリジナリティのある展示が自主企画で行われている(呪物の展示や縄文時代にまつわる展示、俳優・窪塚洋介の陶芸展など、いつも型にはまらない企画なので気に入っている)。
「アシタノUMA展」は、アシタノホラーという企画から派生した展示だ。主催は大垣ガクさん(アシタノシカク代表取締役)で、アシタノホラー怪長も務めている。今回の企画は、名誉顧問として、怪談好きとしても知られているApsu Shuseiさんを迎えた、20名以上のクリエイターによる「ホラー×UMA×アート企画」なのである。
ドアを開けると、アシタノシカクのスタッフさんが出迎えてくれる。「どうぞ」と案内されて進んだ先には、呪物本、ステッカー、イラスト、絵画、ぬいぐるみにスノードームなどのグッズがぎっしり。UMAに埋め尽くされた空間は、色とりどりの表現が集結していた。さまざまなアーティストが妄想したUMAは、平面や立体など個性豊か。各UMAキャラクターには既にファンも付いていて、1点目がけて買いに来るお客様もいるのだとか。
紫外線ライトを当てると、青白くUMAが浮かびだされるスノードームに感激で、多数がすでに売約済み。中沢健の『となりのUMAランド』は、日本も含めた世界のUMA50種を、大迫力の発見写真で綴った圧巻の144ページで展開する。
ピンク色のボディに青い角、デハラノリユキさんのソフビUMAは、手づくり感があって愛しくなるフォルム。UFOと猫が合体したような「アブニャン」は、UFOに連れ去られた猫が、そのUFOを乗っ取って帰ってきたというバックストーリーに和む。
ステッカー好きな私は、各種のUMAステッカーをゲット。作家さんたちが思い思いに妄想を広げたUMAに会える展示に大満足。一瞬「なんだこれ?」と思ってしまうようなものたちでも、覗き込んでいると、だんだんと可愛く見えてくるから不思議だ。どこかいびつで憎めないUMAたちは、もう愛でられる生き物なんですね。本当にこんな生き物がいたらいいなあ。次回はどんなキャラクターが集まるのか、期待が高まるばかり。
アシタノUMA展
会期:2023年12月9日(土)〜23日(土)
会場:ASITA_ROOM
※作品・グッズのオンライン販売 https://astnhorror.official.ec/2