ダンサー・振付師・映画作家として活躍する吉開菜央の長編初監督作『Shari』が、大阪では十三の第七藝術劇場にて上映される。
吉開は1987年生まれ。日本女子体育大学舞踊学専攻を卒業後、東京藝術大学大学院映像研究科に進んだ。2019年カンヌ国際映画祭 監督週間短編部門正式招待作品『Grand Bouquet』(2019年)、第19回文化庁メディア芸術祭エンターテイメント部門新人賞を受賞した『ほったまるびより』(2015年)など、これまでは中短編映画を制作してきたが、今回は63分の長編作品となる。
本作品制作の契機は、写真家・石川直樹が2016年から知床半島の斜里(しゃり)町民らと継続してきたプロジェクト「写真ゼロ番地知床」。毎年、石川と石川が選出した写真家(鈴木理策、石川竜一など)が斜里町を撮影し、その作品を展覧会で披露している。このプロジェクトの4回目の招聘作家として石川は吉開を選び、映画を撮らないかと持ちかけた。
撮影は2020年1月からスタート。監督と出演は吉開、撮影はこれが初めての映画撮影となる石川が担当し、音楽・松本一哉、助監督・渡辺直樹の計4名のミニマムなチームで、町全体を巻き込むかたちで撮影が行われた。現実と空想を織り交ぜながら紡がれるストーリーは知床の既存のイメージを突き抜け、吉開の感性がとらえた当地の姿を、音と映像で見る人の五感に轟かせる。
STORY
羊飼いのパン屋、鹿を狩る夫婦、海のゴミを拾う漁師、秘宝館の主人、家の庭に住むモモンガを観察する人。彼らが住むのは、日本最北の世界自然遺産、知床。希少な野生動物が人間と共存している稀有な土地として知られ、冬にはオホーツク海沿岸に流氷がやってくる。だが、2020年、この冬は雪が全然降らない。流氷も、なかなか来ない。地元の人に言わせれば、「異常な事態」が起きている。 そんな異変続きの斜里町に、今冬、突如現れた「赤いやつ」。そいつは、どくどくと脈打つ血の塊のような空気と気配を身にまとい、いのちみなぎる子どもの相撲大会に飛び込む!「あらゆる相撲をこころみよう!」これは、自然・獣・人間がせめぎあって暮らす斜里での、摩訶不思議なほんとのはなし。
期間:2021年10月30日(土)〜11月12日(金)
*10月30日(土)12:30の回上映後、舞台挨拶予定。登壇者:吉開菜央 監督。会場:第七藝術劇場
時間:劇場Webサイト参照
料金:一般1,500円、シニア1,200円、専門・大学生、中高校生1,000円ほか
関連イベント
七ノ學校オンライン vol.6
【北の果てのマジックリアリズム】
『Shari』吉開 菜央監督に聞く!!(ネタバレなし)
日時:2021年10月27日(水)20:00~
ゲスト:吉開菜央 監督
聞き手:西尾孔志(おおさか映画学校主宰)
*無料生放送+録画公開 https://youtu.be/qAv7R8gXY80
大阪市淀川区十三本町1-7-27
サンポードシティ6F