本特集では、ドキュメンタリーとフィクションの関係やその境界について向き合いました。それは、「事実」「作為」「理解」というような言葉の定義や、それらに付随する葛藤の輪郭をなぞっていくような作業であり、あらためてドキュメンタリーとフィクションの境界というものがいかに流動的で、相互的関係にあるかを感じています。 人が食べるという行為をインタビューを通して観察・分析してきた独立人類学者の磯野真穂さんとの対談では、他者を理解することについて言葉を交わしました。また、現代フランス哲学、芸術学、映像論をフィールドに文筆業を行う福尾匠さん、同じく、映画や文芸を中心とした評論・文筆活動を行う五所純子さん、そして、劇団「ゆうめい」を主宰し、自身の体験を二次創作的に作品化する脚本&演出家・池田亮さんの寄稿では、立場の異なる三者の視点からドキュメンタリーとフィクションの地平の先になにを見るのかを言葉にしていただきました。 対岸の風景を可視化していくこと、まだ見ぬ世界を知覚すること、その先に結ばれた像が唯一絶対の真実から開放してくれることを信じて。そして、今日もわたしは石をなぞる。 小田香 Kaori Oda ー 1987年大阪生まれ。フィルムメーカー。2016年、タル・ベーラが陣頭指揮するfilm.factoryを修了。第一長編作『鉱 ARAGANE』が山形国際ドキュメンタリー映画祭アジア千波万波部門にて特別賞受賞。2019年、『セノーテ』がロッテルダム国際映画祭などを巡回。2020年、第1回大島渚賞受賞。2021年、第71回芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞。
Event
2022.01.05
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2020年に別府で公開された梅田哲也による回遊体験型作品『O滞』、
その連作となる書籍が、NPO法人 BEPPU PROJECTより発行。
12/18(土)より同作品の再公開、ライブ/出版記念イベントなども開催。

2020年に別府で公開された梅田哲也による回遊体験型作品『O滞』、その連作となる書籍が、NPO法人 BEPPU PROJECTより発行。12/18(土)より同作品の再公開、ライブ/出版記念イベントなども開催。
2020年に別府で公開された梅田哲也による回遊体験型作品『O滞』、その連作となる書籍が、NPO法人 BEPPU PROJECTより発行。12/18(土)より同作品の再公開、ライブ/出版記念イベントなども開催。
photo: Yuko AMANO

2020年に大分県別府市で公開された梅田哲也による回遊体験型作品『O滞』、その連作となる書籍『O滞』が2021年11月15日(月)、NPO法人 BEPPU PROJECTより発行された。制作・発売は、ヒスロムや志賀理江子などの作品集を手がけるT&M Projects。また、12月18日(土)からは別府市内で同作品の再公開がスタートし、あわせて、関連するトークイベントがBEPPU PROJECT Youtube公式チャンネルにて視聴できる

混浴温泉世界実行委員会が主催となり、別府市にて毎年1組の招聘作家とともにつくる芸術祭「in BEPPU」。2020年招聘作家の梅田は、地図と音声を手掛かりに別府市内数カ所を回遊する体験型作品『O滞』を発表した。また、別府ブルーバード会館では、本作の一環となる映像作品が会期中上映され、鑑賞者は自身の体験と映画の時間を行き来することとなる。

そして本書は、『O滞』に連なる作品のひとつであり、映画の台本、取材ノート、スチール写真とともに、梅田がこれまで各地で発表してきた『はじめは動いていた』(2011年、京都)、『大きなことを小さくみせる』(2011年、神戸)、『小さなものが大きくみえる』(2011年、大阪)、『O才』(2014年、大阪)、『O階』(2020年、埼玉)などの体験型作品をふまえ、作家の思考を追っていくものでもある。

2020年に別府で公開された梅田哲也による回遊体験型作品『O滞』、その連作となる書籍が、NPO法人 BEPPU PROJECTより発行。12/18(土)より同作品の再公開、ライブ/出版記念イベントなども開催。
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縦組みと横組みの日英文を用いた両面開きの回文的な書籍構造は、Calamari Inc.の尾中俊介とのコラボレーションによるものだ。別府のまちを歩き、あるいは車で移動していく『O滞』の体験を、読む行為へと変換していく編集的な試みとしても素晴らしい。

また、2019年に福岡市美術館で開催された梅田による個展「うたの起源」の学芸員・正路佐知子によるテキスト「赤い実と卵ーー梅田哲也の作品における(不)在をめぐって」も、作品に別の視点をもたらしてくれる。

梅田哲也『O滞』
価格:2,500円(税別)
発売日:2021年11月15日(月)
ISBN:978-4-909442-22-2

写真:天野祐子
執筆:梅田哲也、正路佐知子(福岡市美術館)
デザイン・編集:尾中俊介(Calamari Inc.)
編集:田中有紀、田島怜子(NPO法人 BEPPU PROJECT)、松本知己(T&M Projects)
特別協力:オオタファインアーツ
発行:特定非営利活動法人 BEPPU PROJECT
制作・発売:T&M Projects

梅田哲也『O滞』再公開
会期:2021年12月18日(土)~2022年2月13日(日)
休:火曜日、12月28日(火)~1月6日(木)

会場:別府市内各所
料金:鑑賞無料(予約制)
主催:混浴温泉世界実行委員会

招聘作家:梅田哲也
動画:渡邉寿岳
録音・整音:中原楽
写真:天野祐子
役者:森山未來、満島ひかり
照明・操演:ヒスロム
カチンコ・操演:深野 元太郎
編曲:角銅真実
演奏:大分県立別府翔青高等学校吹奏楽部
衣装・メイク:エッチ美容室
技工:新美太基、時里充
デザイン:カラマリ・インク
出版:T&M Projects

関連イベント

梅田哲也『O滞』再公開トークイベント
配信期間:2021年12月1日(水)~2022年2月13日(日)配信予定
配信場所:BEPPU PROJECT Youtube公式チャンネル

梅田哲也『O滞』再公開&出版記念イベント
開催日:2021年12月19日(日)
開演:18:30~19:30(予定)
出演:梅田哲也
場所:別府ブルーバード会館3階フレックスホール
定員:80名
料金:無料(予約制
助成:公益財団法人セゾン文化財団

梅田哲也 / Tetsuya Umeda

建物の構造や周囲の環境から着想を得たインスタレーションを制作し、美術館や博物館における展覧会の他に、オルタナティブな空間や屋外において、サイトスペシフィックに作品を展開する。パフォーマンスでは、普段行き慣れない場所へ観客を招待するツアー作品や、劇場の機能にフォーカスした舞台作品、中心点をもたない合唱のプロジェクトなどを国内外で発表。また先鋭的な音響のアーティストとしても国際的に知られている。近年のパフォーマンス作品に「Composite: Variations / Circle」(Kunstenfestivaldesarts 2017、ブリュッセル、ベルギー)、「INTERNSHIP」(国立アジア文化殿堂、光州、韓国、2016年/TPAM 2018、 KAAT神奈川芸術劇場ホール)など。近年の展覧会に「リボーンアート・フェスティバル」(石巻、2019年)、「東海岸大地藝術節」(台東、台湾、2018年)、個展では「うたの起源」(福岡市美術館、福岡、2019-2020年)「See, Look at Observed what Watching is」(Portland Institute for Contemporary Art、ポートランド、米国、2016年)がある。2019-2021年度セゾン・フェロー。

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