今年開館35周年を迎えた、大阪・日本橋の国立文楽劇場。その記念すべき年のクライマックスとして11月に公演されるのが『通し狂言 仮名手本忠臣蔵』だ。これまで春、夏の公演を通じて演じられてきた物語がついに終焉を迎え、11月公演では八段目から十一段目までが一挙に上演されることになる。
『仮名手本忠臣蔵』といえば、『菅原伝授手習鑑』『義経千本桜』と並び、文楽の三大名作に数えられる演目のひとつ。初演は、赤穂事件から47年後の寛延元(1748)年の大坂・竹本座。以来、数ある「忠臣蔵」物語のルーツとして、多くの芸能や文化に影響を与えてきたとされる。
今回のみどころは、明治時代の三味線の楽譜をもとに再編された十段目「天河屋の段」。そのほか、普段はあまり演じられない場面も含む、希少価値の高い完全公演となる。 また、同時開催の第一部(午前公演)では、近松門左衛門作『心中天網島』が演じられる。こちらも大阪を舞台に繰り広げられる世話物の名作だ。 人間の情愛や欲望を生々しく描き出した2つの作品を、今秋の公演ではたっぷりと堪能できる。
日時:2019年11月2日(土)~24日(日)
第1部 近松門左衛門=作『心中天網島』 11:00〜(10:30開場、11:45終演予定)
第2部 『通し狂言 仮名手本忠臣蔵』 16:00〜(15:30開場、20:25終演予定)休演日:11月13日(水)
料金:1等席 6,300円、2等席 2,900円
問合: 0570-07-9900(国立劇場チケットセンター)
※一部IP電話等は 03-3230-3000
大阪府大阪市中央区日本橋1-12-10