2021年に第71回ベルリン国際映画祭にて銀熊賞を受賞した、映画作家・濱口竜介初の短編集『偶然と想像』。その公開を記念した特集上映「言葉と乗り物」が、2022年1月29日(土)よりシネ・ヌーヴォで開催中だ。
本企画には、東京大学映画研究会にて全編8mmフィルムで撮影した『何食わぬ顔(long version)』、東京藝術大学大学院映像研究科の修了制作であり、自身が世界に発見されるきっかけとなった『PASSION』など初期作がラインナップ。また、結婚式当日を迎えた男女の間で、秘密と本音がスリリングに展開するコメディ『永遠に君を愛す』、俳優ワークショップからスタートした舞台劇制作そのものを映画作品に組み込んだ青春群像劇『親密さ』といった中期作も並ぶ。このほか、東日本大震災で被災した三陸沿岸部で暮らす人々の対話と、伝承の民話語りをとらえた東北記録映画3部作(『なみのおと』『なみのこえ 気仙沼/新地町』『うたうひと』)、演技未経験の出演陣と演出方法を磨き上げて生まれた近作『ハッピーアワー』など全12作品が控える。
作品ごとに撮影・制作のアプローチを模索し、時に次作へと連関させながら、人の姿や感情の機微、言葉を映し続けてきた濱口。現在へと続く彼のフィルモグラフィーに触れることで、その表現の変遷を体感したい。
濱口竜介(はまぐち・りゅうすけ)
1978年神奈川県生まれ。2008年、東京藝術大学大学院映像研究科の修了制作『PASSION』がサン・セバスチャン国際映画祭や東京フィルメックスに出品され話題を呼ぶ。その後は日韓共同制作『THE DEPTHS』(10)、東日本大震災の被害を受けた人々の「語り」をとらえた『なみのおと』、『なみのこえ』、東北地方の民話の記録『うたうひと』(11~13/共同監督:酒井耕)、4時間を超える虚構と現実が交錯する意欲作『親密さ』(12)などを監督。15年、映像ワークショップに参加した演技経験のない4人の女性を主演に起用した5時間17分の長編『ハッピ—アワー』が、ロカルノ、ナント、シンガポールほか国際映画祭で主要賞を受賞。商業映画デビュー作『寝ても覚めても』(18)がカンヌ国際映画祭コンペティション部門に選出され、共同脚本を手掛けた黒沢清監督作『スパイの妻〈劇場版〉』(20)ではヴェネチア国際映画祭銀獅子賞に輝く。『偶然と想像』は第71回ベルリン国際映画祭にて銀熊賞(審査員グランプリ)受賞、『ドライブ・マイ・カー』(21)では、第74回カンヌ国際映画祭にて脚本賞に加え、国際映画批評家連盟賞、AFCAE賞、エキュメニカル審査員賞も同時受賞。その後も世界各地での受賞が相次ぎ、いま、世界から最も注目される映画作家の一人として躍進を続けている。
(シネ・ヌーヴォWebサイトより)
期間:2022年1月29日(土)〜2月11日(金)、3月5日(土)〜3月11日(金)
※3月5日(土)以降は東北記録映画三部作を上映会場:シネ・ヌーヴォ
料金:一般1,500円、学生・シニア1,100円、会員・高校生以下1,000円
問合:06-6582-1416
※上映スケジュールはシネ・ヌーヴォWebサイトを参照
※全席指定
※オンライン予約の場合は専用窓口で発券、当日券は当日窓口で指定席を選択し購入。開始10〜15分前から入場可能
大阪市西区九条1-20-24