「コトバ」をテーマに、コトバの伝達や習得のしくみ、ヒトとコトバの関係を紹介する特別展「Homō loquēns 『しゃべるヒト』 ―ことばの不思議を科学する」 が、吹田の国立民族学博物館にて開催される。
本展では、来館者にコトバについての新しい「気づき」を促すため、「手話言語」と「音声言語」という2種類の人間の言語をとりあげ、「なぜ手話が言語なのか」「そもそも言語とはなにか」ということを、「コトバが伝わるしくみ」 「コトバを発する身体のしくみ」「コトバを身につけるしくみ」をとおして説明する。
展示場内の解説も、日本語、英語とあわせて「日本手話」で表示。手話が地域によって異なることを来館者が知る手がかりになるだろう。
また、研究所である同館においては、言語研究は「言語学」を専門とする研究者が行っているが、例えば喉から声が出る仕組みは工学系の研究、子どもが言語を習得する過程は認知科学、外国語を学習する方法は教育学、など、言語に関する研究は多様な分野で行われている。
今回の展示では、国内外の50名を超える研究者の協力を得て、各分野における最新の言語に関する研究や開発の成果を紹介する。
会場内では、20人が自らの言語ヒストリーを語る動画や、映像作家・山城大督による、ことばをイメージした作品も展示。また会期中には、芸術ユニット・明和電機ほかさまざまなゲストが登場する講座やワークショップ、映画会などが多数開催される。言語に多角的にアプローチするプログラムをとおして、コトバについての理解をより深めることができそうだ。
特別展「Homō loquēns 『しゃべるヒト』―ことばの不思議を科学する」
特設サイト https://loquens.site/会期:2022年9月1日(木) 〜11月23日(水・祝)
会場:国立民族学博物館 特別展示館
時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)
休館:水曜日、ただし11月23日(水・祝)は開館
料金:一般880円、大学生450円、高校生以下および障がい者手帳をお持ちの方(付添者1名を含む)は無料
関連イベント(カッコ内は開催日)
みんぱく映画会:「シニェ―手話を話す―」 (10/8)、「たき火」(11/3)
みんぱくゼミナール:第526回「アートと学問のジャムセッション」 (10/15)、第527回「身の回りをフィールド言語学する」 (11/19)
ワークショップ:「複言語・複文化脱出ゲーム 中国語編『本の世界からの脱出』」 (9/23, 10/29, 11/12)、「方言版異言語脱出ゲーム 琉球語編『紡がれるもの~おじぃとおばぁと僕の物語~』」 (9/11)、「異言語脱出ゲーム 日本語手話編『うしなわれたこころさがし』」 (10/9, 10)、「レゴブロックを使ったプログラミング言語ワークショップ ―プログラミング体験から『ことば』の伝え方を学ぼう!」 (10/16, 11/6)
シンポジウム:インターアクティブ・シンポジウム 「生物としてのヒトと言語について考える」(10/9)
みんぱくウィークエンド・サロン―研究者と話そう:「殺魚棒とオタマトーン」 (9/18)、「いざ、ウルドゥー語入門(せめて文字だけは編)」(10/23)、「『世界を見せる』から『世界観に触れる』へ―誰のための点字考案200周年なのか」 (10/30)、「脳波で言語理解の脳内処理を探る」(11/20)
その他のイベント、詳細は公式サイト参照。問合:06-6876-2151(代表)
吹田市千里万博公園10-1