此花のアーティストランスペース・FIGYAにて、関西を拠点に活動する写真家・力武拓也の作品展が開催される。 5月3日(水・祝)には、力武拓也とFIGYAオーナー・mizutamaのトークも開催。
FIGYAは、大阪市・西淀川区のアートスタジオOKKO(オッコ)と協同で写真家・力武拓也の作品集「Resolution」の出版記念展示を開催します。 SNS上に写真や画像をアップロードし、ライク的な支持を集める中で名刺化するアカウントが「自身の純粋な感性を共有する」というアーティスティックな目的を少しずつ失っていることに気がづいた力武は、無目的的かつ心のままに撮り集めた写真を発表する方法について考え、他者の共感やインスタントな承認に捉われず、より質量を持った体験を生み出す方法として作品集の出版と展示を選択しました。 作品集を作る写真家はこれまで多数いますが、このような現代的な問題をきっかけにフィジカルな方向に踏み切る人はあまり多くありません。近年では、SNSでの作品発表を機にフォトグラファを名乗り始める人も多く、彼自身もその一人であると言える中、このような行為自体が一つの小さな問題提起になりうるかもしれません。 アカデミックな写真教育を受けず、独学で写真を続けてきた力武の作品には、現代アートのような聡明なコンセプトはなくとも、嘘のない感性が写し出す独特の空気や視点が存在します。訪れた場所、気になった風景、なんとなくシャッターを切った物質などそれらは、仕事や生活という事実的なものから発生しており、わたしたちの日常とも曖昧な結びつきを感じさせます。 本展では、作品集に収録されている写真のプリントを展示し、力武拓也の写真感とその感性に迫ります。また、作品集の制作プロセスも一部公開。プロジェクトの全体像も楽しんでいただけたらと思います。
(FIGYAより)
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1994年生まれ。写真家。愛媛大学農学部にて林業を専攻。在学中にデジタルカメラを手にしたことをきっかけに写真を撮り始め、同時にSNSへ作品の投稿を開始する。友人や風景など記録的な写真を撮影する中で、次第に自分を取り巻く多様な文脈とそれらに関する表現に関心を持ち始め、卒業後本格的にフォトグラファとして活動を開始する。 カメラを通して人や自然、オブジェクトから抽象的なものまで、被写体に境界を設けず同じ目線で丁寧に観察する行為から、日常に潜在する共通点や違和感を探求し続けている。 現在は関西を拠点に、ファッションやライフスタイルブランドの撮影を行いながら、東京のクリエイティブチーム「lien」のメンバーとしてwebコンテンツ撮影や展示企画なども行うことで、クライアントワークにも従事している。
大阪市・西淀川区に拠点を置くアートスタジオ。アーティスト、デザイナー、写真家、俳優等が集まり、展示計画やワークショップ、出版に至るまで、様々な活動を行っている。組織における中心やメンバーという概念を持たず、プロジェクトごとに流動的に集まり、即物性や経済性を問わない自由な創作が行われている。
会期:2023年5月3日(水・祝)~7日(日)※会期中無休
会場:FIGYA
時間:13:00~19:00
アーティストトーク & オープニングパーティ
日時:5月3日(水・祝) 17:00~18:15 ※パーティは18:30~
登壇:力武拓也、mizutama(FIGYA)
※予約不要、飲食持寄り制
大阪市此花区梅香3-11-18