アメリカ村のFUKUGAN GALLERYにて、グループ展「SKIFFS」が開催。宇加治志帆、山下智子、山本理恵子の3名が出展する。
宇加治は大阪府生まれ。美術作家としての制作活動と、「NAKED CRYSTAL」名義でのアクセサリーや服の製作を並行して行っている。現在はがん治療のため療養中で、今回展示するドローイング「デイリーロールシャッハ」は、療養の日々の中で生まれた彼女の新しい表現だ。
奈良県生まれの山下は、東京藝術大学大学院美術研究科修士課程修了後、数年にわたり海外での滞在制作を行っていた。大学院では油画を専攻していたが、2019年にザルツブルクにて初めてインスタレーションとパフォーマンスを発表するなど、表現の幅を広げている。今回はミクストメディアの作品「ある松についての考察」を発表。
山本は大阪府生まれ。2011年に京都市立芸術大学大学院を修了したが、現在再び同大学大学院の博士(後期)課程で油画を探究している。図像同士の関係性と境界そのものに着目した絵画を描く一方で、近年は「注文絵画」に興味を持ち、作品の購入者とコミュニケーションをとりながら納める作品を制作するという独自の取り組みも行っている。(注文絵画に関する山本のインタビューはこちら)本展では、「O家の注文絵画」を展示する。
展覧会タイトルのSKIFFとは「小型の船」の意。本展ステートメントには、「画家にとって描くことは生活のなりわいでもあり、手の『櫂』と目の『舟』で漕ぎ出す大海の探索でもあります。」と書かれている。3名の出展作家それぞれの航跡を展示空間で辿ってみたい。
宇加治志帆
大阪府生まれ、京都市立芸術大学美術学部美術科フレスコ画専攻卒業。
学生時代にバンド活動を行い、2003年UMMO Recordsよりアルバム『She’s Pippi』をリリース。2006年に作業療法士の国家資格を取得。
美術作家、また、”NAKED CRYSTAL”としてアクセサリーと服の製作を行う。
現在がん治療の為療養中であるが、ホームページ及びインスタグラムにて
治療経過を綴る日記などを公開中。体調の良い時に少しずつ作品作りに励んでいる。山下智子
奈良県生まれ
2007年 東京藝大学美術学部油画専攻卒業、O氏記念賞受賞
2009年 東京藝術大学大学院美術研究科修士課程修了(油画技法材料)
〈展覧会〉
2022年 「たこあげ あるいは つり」 Calo Gallery / 大阪(大阪市助成事業)
「山下智子 福崎翼 2 人展ー裸の春ー」大乗院庭園文化館 / 奈良
〈滞在制作〉
2016年 ザルツブルク/オーストリア
2017年 マスタートン/ニュージーランド
2018年 フィレンツェ/イタリア
2019年 ザルツブルク/オーストリア
現在 奈良芸術短期大学洋画コース非常勤講師、東大寺学園幼稚園造形教室担当山本理恵子
1985年大阪府に生まれる。2011年京都市立芸術大学大学院 美術研究科 修士課程 油画 修了
2023年 現在 同大学大学院 美術研究科 博士(後期)課程 油画 在籍
図像同士の関係性と境界そのものに着目し、筆触により逸脱すること/留まることを繰り返しながら、図と地の共振する絵画を描く。
主な個展に、「Urlandschaft -原風景-」(MEDIA SHOP gallery2、京都岡崎 蔦屋書店、京都、2021)、「真昼の星々」(hitoto、大阪、2019)、「空白の頁」(MORI YU GALLERY、京都、2017)
グループ展に、「ART OSAKA 2017」(ホテルグランヴィア大阪)、「THE PRINCE GALLERY TOKYO KIOICHOコミッションワーク」(プリンスギャラリー紀尾井町、東京、2016)、「アートがあればII ─ 9人のコレクターによる個人コレクションの場合」(東京オペラシティ アートギャラリー、2013)、「VOCA」(上野の森美術館、東京、2010)など。
〈SKIFFS〉宇加治志帆/山下智子/山本理恵子
会期:2023年5月11日(木)~6月3日(土)※期間中の木・金・土曜のみ、それ以外の日は予約制
会場:FUKUGAN GALLERY
時間:14:00~18:00
休廊:日〜水曜
料金:入場無料
問合:06-6253-3266
大阪市中央区西心斎橋1-9-20 4F