南堀江のTEZUKAYAMA GALLERYにて、平野泰子の個展「山ではなく頂が平面であること」が開催。
平野は1985年富山県生まれ。京都精華大学芸術学部造形学科洋画専攻を卒業し、現在は神奈川県在住。
木製パネルにキャンバスを張って膠と石膏で下地を施し、乾燥後に入念に研磨したのちに、三原色の油絵具を何層にも塗り重ねる、という手法で絵画を制作している。
同ギャラリーでの初個展となる本展では、新作の絵画およそ15点を展示する。
アーティスト ステイトメント
制作過程では、まず「塗り重ねる」という行為があり、そこから想起し、対象を近づけたり、遠ざけたりするような感覚で制作は進んで行きます。このプロセスは風景画を描いていた時の「描こうとすればするほど遠のいて行く」という、常に虚像を孕んでいる絵画の問題に通じています。想起されるのは、故郷の山々、踏み締めた畦道や見上げた空、誰かに対する想いなどです。これらの要素がきっかけとなり、身体が跳躍することを可能にします。そのような想いにアクセスすることで、循環的な行為は自分や社会的制度から解放される術となります。
情報と物理空間が入れ子状になっている現代において、イメージはどこからやってくるのかに興味があります。他者が用意したイメージを消費するのではなく、制作することで繰り返し、差異を生み出し内在化する図を取り出すことで、 主体と客体が互いに変化する可能性を自覚します。
本展覧会のタイトル「山ではなく頂が平面であること」とは、フランスの哲学者ジル・ドゥルーズと精神分析家フェリックス・ガタリが「千のプラトー」にて考える哲学的な概念を、わかりやすくする比喩として用いられている言葉です。 階層的(山)の捉え方ではなく、平らな場所(平面)の上で、物事が互いにつながり合っている考え方を提案しています。そこに自身の制作行為から、身体の跳躍を可能にすることに準えました。画面と向き合う中で、生まれる眼差しや不確かなものに強度を持たせるために制作しています。
(Webサイトより)
会期:2023年5月12日(金)~6月10日(土)
会場:TEZUKAYAMA GALLERY Main Gallery
時間:12:00~19:00
休廊:日・月曜、祝日
問合:06-6534-3993
同時開催
コレクション展
Gallery Collection – 舟越桂
大阪市西区南堀江1-19-27
山崎ビル2F