今里のギャラリー・JITSUZAISEIで、東京を拠点として活動する画家・高田マルの関西初となる個展「向かって行く線、朝の挨拶」が開催される。
高田マルは、自身の絵画作品の制作・発表に加え、2016年から描き手の視点から「絵画とは何か」、「描くという行為」について個展や論考の発表により考察する「絵画検討会」を主催、展示企画や書籍制作を行ってきた。2020年には、一人出版社「絵画検討社」を立ち上げ、絵を描く人、見る人の膨大な言葉を元に書籍を執筆するなど、 様々な角度で絵画に問いを投げかける活動を行っている。
個展「向かって行く線、朝の挨拶」では、近年、高田マルが取り組んできた展示会場の壁に直接絵を描いては会期終了時に消す、その場限りの絵画作品を中心に展示する。私的な「弱い絵」をプロジェクションし、壁に境界なく何度も描く実践的な制作を行うことで、ギャラリー 空間全体を絵画とし、絵画の「描く行為」の原初を探る。
10日間に渡る滞在制作期間のうち、2日間が展覧会の会期前に公開されるほか、展覧会の会期中には、哲学研究者で批評家の森脇透青とのトーク、アーティスト Aokidによるパフォーマンスも開催予定だ。また、会期最終日には、「グッドグッドバイ」と題し、は絵画作品の誕生と喪失を展開し、絵画という美術の躍動を試みるイベントが開催される。
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画家。1987年生まれ。2009年日本女子大学文学部史学科宗教学専攻卒 業。2012-2015年美學校にて複数の講座を受講。2016年より「絵画検討会」呼びかけ人。2020年に一人出版社「絵画検討社」発足、編著『21世紀 の画家、遺言の初期衝動絵画検討会2018』『忘れられない絵の話 絵画検 討会2020-2021』を刊行。近年のおもな展示に「祈りの言葉は今日も同じ かたちをしている」(2022年、soko station146、東京)、「知らない言葉で なんども祈る 複製が」(2022年、NADiff Window Gallery、東京)。
1995年大阪生まれ、京都大学文学研究科博士課程所属。批評家。専門はジャック・デリダを中心とした哲学およそ美学(学術振興会特別研究員DC2)。批評のための運動体「近代体操」主宰。著書(共著)に『ジャック・デリダ「差延」を読む』(読書人、2023年)。『週刊読書人』にて月一論壇時評「論潮」を連載中。「ルソー、レトロスペクティヴーー〈記憶の記録化〉についての試論」で第65回群像新人評論賞最終候補。
ブレイクダンスをルーツに持ち東京造形大学在学中よりダンスにおけるインプロビゼーションを起点とし、言葉や音楽、ドローイング、イベントといった方法へとその手法を拡張し舞台や紙上、あるいは都市へとスケールを変形させながら活動を展開する。『Aokid city』(2012年−)、『どうぶつえん』(2016年−)、『ストリートリバー&ビール』(2019年−)などのプロジェクトを展開。主な実績として、第12回「1_WALL」グラフィックグランプリ受賞、2016年ヨコハマダンスコレクションコンペティション1審査員賞受賞。ソロダンス公演に『地球自由!』(STスポット、2019)、個展に『おもいつきと軽い月』(芸宿、2019)など。参加グループ展に長谷川新キュレーション『STAYTUNE/D』(ギャラリー無量、2019)、Chim↑Pom『にんげんレストラン』(歌舞伎町ブックセンター、2018)などがある。
会期:2023年7月1日(土)~7月22日(土)
会場:JITSUZAISEI
時間:14:00〜22:00
休廊:火曜
問合:06-6224-4475
※展示やパフォーマンスの最新情報は JITSUZAISEI の下記アカウントにて
【Twitter】 https://twitter.com/JITSUZAISEI
【Instagram】 https://www.instagram.com/jitsuzaisei/–
関連イベント
滞在制作公開日
会期:6月24日(土)、25日(日)
時間:14:00~19:00ギャラリートーク
アーティスト・高田マルと、哲学研究者で批評家の森脇透青によるトークを開催する。 高田マルの近作と今回の展示作品の話を起点に、私的な絵と公的な場の交錯等について両者の関心を通して掘り下げる。
日時:2023年7月9日(日)17:30~
料金:無料Aokidによるゲストパフォーマンス
日時:7月17日(月・祝)※詳細調整中クロージング「グッドグッドバイ」
日時:7月22日(土)17:00~
JITSUZAISEI
大阪府大阪市東成区大今里4丁目14-18