タイ・バンコク出身の作家、ティアン(Titirat Skultantimayta)とソーン(Sornrapat Patharakorn)による、日本で初めての2人展が、西天満のYOD Galleryにて開催される。
2人はともにタイのチュラーロンコーン大学を卒業し、現在はドイツ・ワイマールのバウハウス大学に在学している。多様な素材と表現を用い個々に活動している一方で、2018年より共同制作を開始、コラボレーションによる作品を第1回バンコク・ビエンナーレのほか、タイやドイツのギャラリーまたは野外空間で展示してきた。
今回の展覧会「Fallen Cycle」では、床に散らばっている葉と壁に展示されている俳句から成り立つ、季節の循環を思い浮かばせるインスタレーションを展示する。
作家ステートメント
私たち人間は、時空の中で生きる三次元の生物である。変化の本質は、我々の心の鏡に抜粋した時間を並べてみれば、一目瞭然である。一連の変化が繰り返されるとき、それらは周期的にある状態の間を行き来する、または状態の間で転じると解釈できる。
Fallen Cycleは二つの作品 “Fallen Cycle (Clay)”と”Fallen Cycle (Paper)”からなる。二つの作品は調和を保ちながら、同じ空間に配置されている。
ギャラリーの床に散らばるFallen Cycle (Clay) は、乾燥した葉を模したセラミック片で構成されている。これらの自然の文脈から生まれた葉は、人間から見た自然の循環を表している。Fallen Cycleは、アートスペースと外の世界を融和する乳化剤としての役割を果たす。内と外の葉は同じように見えるが、自然の葉は自然の一部であり、道端の葉は掃かれる一方で、ギャラリー内の葉は他の何かとなるのだ。すなわち、落葉という文脈は葉を異なる何かへと変えるだけでなく、別の文脈との融和も促すのである。
Fallen Cycle (Paper) は壁にアルファベットで刻まれた詩である。1789年に吾山という名の僧侶が書いた最後の詩である。その詩のページは、穴の空いた部分は詩が欠落しているが、同じページにあった別の文章と並列されている。残された文字とページに残された欠落部は、それぞれの相反するアウトラインを相互に補完している。文字の配列の変化は異なる意味を生み出し、それらは明確な構成を伴うよく似た構成要素である。より深く探求することで、欠落の中にさらなる相違点を見出せる人もいるだろう。
吾山による詩 :
“ 花と見し
雪はきのふぞ
もとの水 ”(YOD Gallery Webサイトより引用)
会期:2020年2月29日(土)~3月21日(土)
会場:YOD Gallery
開廊時間:12:00~19:00
休館日:日曜日
料金:入場無料
問合:06-6364-0775
大阪市北区西天満4-9-15 第一神明ビル