「芸術文化を、大阪から考える」といった際に、まずは大阪、ひいては都市について改めて考えたいと思いました。これはコロナ禍で、わたしたちの暮らしを成り立たせている社会の仕組みや経済について再考するときが来ていると実感したからです。プラネタリー・アーバニゼーション(地球の都市化)という言葉もありますが、わたしたちはロジスティクスというスムーズな流れによって、常に有形無形の商品を消費し続けることで、あるいはリモートを加速させるコミュニケーション技術によって、物理的な出会いがもたらす関係性や、使ったり食べたりしているものの連関への想像力が奪われているようにも思えます。その異様とも言えるスムーズさのなかに、どのように亀裂やひっかかりを見つけ出していくのか。そこから、文化や芸術が醸造されるのだと思います。  今回の特集では、猪瀬浩平さんとの対談では、私たちの生き方や、コロナ禍において顕在化した感染させる/させないの二元論に回収される違和感と、リモートによるコミュニケーションによってこぼれ落ちる「巷」的なひっかかりについての大切な視座と経験を、有家俊之さんにはロジスティクスと反対側にあるものの調達とその楽しみとおいしさを教えていただきました。また、北川眞也さんとの対談で都市のパースペクティブとそのなかで行われている実践をお聞きしながら、いかに私たちは行動できるのかというヒントを与えていただき、合わせて、櫻田和也さんとともに大阪という都市を成り立たせている住之江の物流拠点、港湾地帯をフィールドワークすることで改めて私たちの暮らす都市を実感することができました。一見、つながらないようなこれらの経験や知見は、どこでもすぐにつながれる現在において、私たちに物事を編み直す想像力を与えてくれます。今回、対談やフィールドワークをともにした4者は、みなアーティストだと思います。 家成俊勝 Toshikatsu Ienari ー 建築家。1974年兵庫県生まれ。2004年、赤代武志とdot architectsを共同設立。京都芸術大学教授。アート、オルタナティブメディア、建築、地域研究、NPOなどが集まるコーポ北加賀屋を拠点に活動。
Event
2020.02.26
#YOD Gallery#ART#EXHIBITION#大阪市#西天満

バンコク出身の若手作家、
ティアン&ソーンの展覧会をYOD Galleryにて

タイ・バンコク出身の作家、ティアン(Titirat Skultantimayta)とソーン(Sornrapat Patharakorn)による、日本で初めての2人展が、西天満のYOD Galleryにて開催される。

2人はともにタイのチュラーロンコーン大学を卒業し、現在はドイツ・ワイマールのバウハウス大学に在学している。多様な素材と表現を用い個々に活動している一方で、2018年より共同制作を開始、コラボレーションによる作品を第1回バンコク・ビエンナーレのほか、タイやドイツのギャラリーまたは野外空間で展示してきた。

今回の展覧会「Fallen Cycle」では、床に散らばっている葉と壁に展示されている俳句から成り立つ、季節の循環を思い浮かばせるインスタレーションを展示する。

バンコク出身の若手作家、ティアン&ソーンの展覧会をYOD Galleryにて

作家ステートメント

私たち人間は、時空の中で生きる三次元の生物である。変化の本質は、我々の心の鏡に抜粋した時間を並べてみれば、一目瞭然である。一連の変化が繰り返されるとき、それらは周期的にある状態の間を行き来する、または状態の間で転じると解釈できる。

Fallen Cycleは二つの作品 “Fallen Cycle (Clay)”と”Fallen Cycle (Paper)”からなる。二つの作品は調和を保ちながら、同じ空間に配置されている。

ギャラリーの床に散らばるFallen Cycle (Clay) は、乾燥した葉を模したセラミック片で構成されている。これらの自然の文脈から生まれた葉は、人間から見た自然の循環を表している。Fallen Cycleは、アートスペースと外の世界を融和する乳化剤としての役割を果たす。内と外の葉は同じように見えるが、自然の葉は自然の一部であり、道端の葉は掃かれる一方で、ギャラリー内の葉は他の何かとなるのだ。すなわち、落葉という文脈は葉を異なる何かへと変えるだけでなく、別の文脈との融和も促すのである。

Fallen Cycle (Paper) は壁にアルファベットで刻まれた詩である。1789年に吾山という名の僧侶が書いた最後の詩である。その詩のページは、穴の空いた部分は詩が欠落しているが、同じページにあった別の文章と並列されている。残された文字とページに残された欠落部は、それぞれの相反するアウトラインを相互に補完している。文字の配列の変化は異なる意味を生み出し、それらは明確な構成を伴うよく似た構成要素である。より深く探求することで、欠落の中にさらなる相違点を見出せる人もいるだろう。

吾山による詩 :
“ 花と見し
雪はきのふぞ
もとの水 ”

YOD Gallery Webサイトより引用)

ティアン&ソーン展「Fallen Cycle」

会期:2020年2月29日(土)~3月21日(土)

会場:YOD Gallery

開廊時間:12:00~19:00

休館日:日曜日

料金:入場無料

問合:06-6364-0775

YOD Gallery

大阪市北区西天満4-9-15 第一神明ビル

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