2003年より大阪市が推進する文化事業として始動したBreaker Project(ブレーカープロジェクト)。「芸術と社会の有効な関係」を再構築していくことを目的とした地域密着型アートプロジェクトとして、西成のまちを舞台に、多彩なアーティストと協働してプロジェクトを展開している。
2022年度より美術家・岩谷雪子を迎えたレジデンス事業がスタート。その成果を紹介する展覧会が、山王のイチノジュウニのヨンにて開催され、西成区山王エリアを中心とした6カ所にてまちなか展示も行われる。
2022年度より、大阪・西成のフィールドワークを展開してきました美術家・岩谷雪子による展覧会を開催します。
岩谷は、雑草と呼ばれ見過ごされがちな植物に注目し、個々の形状や生態、それらを取り巻く私たち人間の営み含めた環境を注意深く観察しながら、採集した植物を乾燥させて再構成する立体やインスタレーション作品を制作する作家です。
今回のレジデンスでは、都会のなかでたくましく(またひっそりと)自生・共生する植物をリサーチし、そこで見えてくる風景やその背後にある事象にもまなざしを向けながら、1年以上かけてフィールドワークを展開してきました。植物を採集した空き地や公園などを中心に、その土地の変遷やそれにまつわる人々の記憶を聞き取るなど、リサーチを通して収集したものや道端で見つけた(拾った)ものなども作品の要素となっています。
展覧会「西成で植物を採集するということ」では、メイン会場と合わせて、まちを歩きながら点在する作品をご覧いただきます。刻々と変化していくまちの風景や路傍の植物と共に、岩谷雪子の新作をご鑑賞ください。また、3月3日(日)には、二人のゲストを招いたアーティスト・トークも実施します。今回のフィールドワークや作品を振り返りつつ、路傍の植物に向けるまなざし、植物を通して見えてくる社会など、様々な切り口で掘り下げます。
岩谷雪子 IWATANI Yukiko
1958 年札幌市生まれ、高知市在住。武蔵野美術大学日本画科卒業。植物による立体、映像、インスタレーション等の作品を制作。植物のありのままの姿やその周辺の環境を含めて観察し、特に普段見過ごされがちな雑草などの小さな存在に目を向けると同時にそれらの生命の声を聴く、或は感じるための場としての表現を追求する。
近年の主な展覧会に「はならぁと」(奈良、2022年)、「MIND TRAIL」(奈良、2022年)、「六甲ミーツアート」(兵庫、2019、2021年)、「植物は、うごく」高知県立牧野植物園(2020年)、「BIWAKOビエンナーレ」(滋賀、2018年) 、「Moving Plants」Rønnebæksholm(デンマーク、2017年)、「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」(新潟、 2015年)など、芸術祭やグループ展に出品するほか、The Third Gallery Aya(大阪)や高知、東京などで個展も開催する。六甲ミーツアート2019では公募大賞グランプリを受賞。(Webサイトより)
会期:2024年3月1日(金)〜17日(日)
会場:イチノジュウニのヨン
時間:13:00〜19:00
休廊:月〜水曜
料金:入場無料
まちなか展示 ※イチノジュウニのヨンにて、マップ配布
山王訪問看護ステーション/助六(うどん屋)/出世地蔵の祠/日之出湯/山王おとなセンター・山王こどもセンター/福田屋(宿屋)アーティストトーク
日時:3月3日(日)13:30〜15:00頃(開場13:00)
会場:大阪中之島美術館 1F ワークショップルーム
出演:話し手|岩谷雪子、ゲスト|芹沢高志(P3 art and environment 統括ディレクター)、中村史子(大阪中之島美術館 主任学芸員)
参加費: 500円
定員:30名(要申込、申込方法など詳細は公式サイト参照)
大阪市西成区山王町1-12-4