動物園前にある喫茶コーズリーにて、Masanori Matsuda as SUCHSIZE「天体のリズム 生体のリズム」が開催される。大阪中之島美術館のミュージアムショップ「dot to dot today」の運営や、店舗を展示空間に生かすポップアップ企画などを手がけるSOUP株式会社が主催。
展示では、5000年前に造られたアイルランド古墳「ロッククルー」の早朝の現象を楽しむ人々を写真におさめている。古墳の丘の洞窟は、春分と秋分の日に朝日が差し込むように計算されて作られており、人々はその滅多にできない体験を楽しみに訪れる。山上にあるこの特別な場所で、太陽や季節とのリズムを合わせる人々の行動はさまざまだが、静かな生命の喜びを感じているようだ。
松田壯統は、 阪神大震災で自宅が倒壊した経験から、現象世界を超えて存在するパラレルワールドを意識するようになった。存在学や古代信仰やアニミズム、量子力学などの世界の捉え方や意識の流れの変容に関心を持ち、光の移動や神話論理などの隠喩、儀式的な繰り返しなどの手法により作品を制作している。
今回松田は、作家活動の枠にはまらない「SUCHSIZE(サッチサイズ)」として参加し、新たな活動を展開。「SUCHSIZE」は、「SUCHNESS(自然ありのままである)」と「SIZE(人のサイズに合わせる)」 を組み合わせた造語であり、「アートと共にありのままに生きる視点」 を人に届けるオープンアートラボラトリーとして、2024年春に西成区にスペースをオープンする。 季節のめぐりに合わせた作品の鑑賞や作品制作の見学などを通して、社会に開いていくという。
本展では、「SUCHSIZE」の活動の一環として、太陽と地球のリズムから生命の力を意識した、アイルランドでの写真を展示する。また、地域関連企画として、同じ西成区にあるイチノジュウニのヨンでは、Yukawa-Nakayasuの個展「薫りのささやきと」が開催される。
松田 壯統 Masanori Matsuda
1982年兵庫県生まれ。東京芸術大学大学院美術研究科修了。2017-18 ポーラ美術振興財団在外研修員としてアイルランド、2019-21 文化庁新進芸術家海外派遣制度研修員としてポーランドに滞在。自然と人の連動性をフィールドリサーチから空間に展開し、自然、社会、生活における生命力の流れの良さを表現する。2018年に「死と再生」をテーマとした展覧会(アイルランド・スイス・中国)、2019年にはポーランド日本国交100周年の展覧会セレブレーション(京都・ポーランド)、オストラルビエンナーレ(ドイツ)、近年はポーラミュージアムアネックス展2022などに参加している。
Masanori Matsuda as SUCHSIZE「天体のリズム 生体のリズム」
会期:2024年1月19 日(金)〜 3月31日(日)
会場:喫茶コーズリー
時間:月・火・木・金 12:00〜20:00/土・日・祝 9:00〜20:00
定休:水曜
料金:入場無料、ただしワンオーダー制(会計は完全キャッシュレス決済)
主催:SOUP株式会社
共催:SUCHSIZE問合:soup@soup.art(廣瀬)
大阪市西成区太子1-2-28