デザインやイラスト、イベント企画など、ジャンルを横断し活動するクリエイター・しんごの個展「遊びの時間 長い年月で」が、2024年8月10日（土）から25日（日）までFOLK old bookstoreで開催される。

日常生活のなかからインスピレーションを受け制作を行うしんご。じゃがいもの実物から型を取ってつくったオブジェや、「ルンルン」「トゲトゲ」といったオノマトペを図案化・展開したプロダクトなど、ユニークな作品を発表している。

そんな彼は3歳の子をもつ父親であり、子と過ごす日々もまた創作へとつながっていく。本展開催とともに発表される写真集『遊びの時間 長い年月で』もそのひとつ。子どもが遊んだ後のおもちゃやぬいぐるみの様子には、その日の楽しかった思い出や興味・関心が物語として表れる。そうした痕跡に深い愛着を感じ、しんごが妻とともに残してきた記録から、一部をまとめたものがこの一冊だ。

展示では、写真集の販売と、子どもの遊びの痕跡を再現した展示が行われる。本と個展のタイトルは、iPhoneのカメラロールから自動生成されたスライドショーのタイトルをそのまま採用した。しんごがSNSの告知投稿に添えた写真を見ると、幼い頃に夢中になった空想の世界に触れたような、懐かしさが湧き起こる。

この写真集は、親から子へのあたたかなタイムカプセルのようなものであると同時に、遊び心を忘れたくないしんご自身に宛てたものだ。「子どもが大きくなった時、一緒にこの本を見て笑い合えたら、それ以上の喜びはありません」と語るしんご。遊びの痕跡とともに、しんごが子へ向ける優しい眼差しと、豊かな想像力を感じたい。