大阪を拠点に活動するアートハブ・TRA-TRAVELは、「リサーチをひらく」をテーマにしたトークイベント「TRA-TRA-TALK(TTT)」を継続的に開催している。クリエイターや研究者などの「リサーチャー(聞き手)」が、プロジェクトやリサーチを進めるにあたって、専門的な知識がある人や事情通などの「レスポンダー(応対者)」に話を聞きにいくことを、あえてパブリックイベントとしてひらくことにより、観客も交えた意見交換を行う「相互の学びの場」となることを目指している。
2024年9月16日に、TRA-TRA-TALK vol.6「アーティストはどこに集うのか」を、梅田のVisLab OSAKAにて開催する。
山梨県河口湖町にてアーティスト・ラン・レジデンス「6okken」を運営する筒さんと神戸にある「C.A.P.(芸術と計画会議)」の下田展久さんが、『アーティスト・ラン・スペースの未来像』について語り合う本イベント。
筒さんは、ドキュメンタリーアクターとして実在の人物を取材し、演じるという一連の行為を実践し、十和田市現代美術館などで発表するかたわら、2022年から「6okken」を設立・運営されています。下田さんは、1998年から現在までC.A.P.に携わり、海外のアートグループと共同プロジェクト「See Saw Seeds」など、数多くの企画を立ち上げて来られました。本イベントでは、筒さんがリサーチャー(聞き手)、下田さんがレスポンダー(応対者)となり、アーティスト・ラン・スペースのこれからのあり方についてトークを展開します。
アーティスト・ラン・スペースとは、アーティストが運営するスペースを指し、両者が運営する6okkenとC.A.P.は、共にアーティストが主導で活動を始めた団体です。ただ2022年に設立した6okkenと、1994年に設立したC.A.P.とでは、時代背景も異なり、スペースの未来像、運営方法、外部との関わり方に違いがあります。またその一方で、ともにレジデンス/スタジオ運営を行っており、定例ミーティングや持ち込み企画に対する応対など、アーティスト・ラン・スペースだからこそ共感できる部分もあるでしょう。6okkenは、現代美術や音楽や建築、また演劇やVtubeなどをフィールドとする14名のメンバーで構成され、山梨県河口湖の6棟の家を拠点とする生活/表現活動/運営が一体となった『アーティスト・ラン・レジデンス』です。また国内外からアーティストを招聘し、芸術祭「ダイロッカン」を開催するなど、積極的に外部と連携しアートプロジェクトを企画しています。
時代毎にメンバーも入れ替えながら30年間運営されてきたC.A.P.は、「CAPARTY」と題して神戸の町に開いた展示やシンポジウムやアートフェアを実施する一方で、2016年からドバイ、ハンブルク、トゥルクのアートコミュニティと連携して、アーティストを交換するプログラム「See Saw Seeds」を行なうなど、地域や異なる国との交流を積極的にしてこられています。6okkenとC.A.P.の活動をとおして「アーティスト・ラン・スペースの可能性」を探る本トークイベント。クリエイターが集まり協働し、団体としてプロジェクトを柔軟に実践することから、2020年代以降のアーティスト・ラン・スペースの未来像を、鑑賞者を交えて想像したいと思います。アートやスペース運営に興味のある方はもちろん、国際交流に関心のある方にもおすすめのイベントです。ぜひご参加ください。
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筒|tsu-tsu
ドキュメンタリーアクター。山梨県在住。実在の人物を取材し、演じるという一連の行為を「ドキュメンタリーアクティング」と名付け、実践する。他方で、2022年から山梨県河口湖町にてアーティスト・ラン・レジデンス「6okken」を設立・運営する。近年の活動に、クマ財団ギャラリー「01.25.1997」、十和田市現代美術館「地上」、ANB Tokyo「全体の奉仕者」など。主な受賞に、第28回CGC最優秀賞、やまなしメディア芸術アワード山梨県賞など。Forbes Japan 30 under 30 2023選出。下田 展久|Nobuhisa SHIMODA
1957年、川崎生まれ。1979年、アルファレコードよりアルバム「ムーンダンサー」でレコードデビュー。1988年、神戸ポートアイランドのジーベックホール設立準備に参加し2000年まで同ホールのプロデュース。1998年、C.A.P.(芸術と計画会議)のメンバーになり、2015年より2023年まで理事長を務める。C.A.P.と海外のアートグループによる共同プロジェクト「See Saw Seeds」を2016年に開始、アーティスト交換を主軸に現在もプロジェクト継続中。
TRA-TRA-TALK vol.6「アーティストはどこに集うのか」
日時:2024年9月16日(月・祝)16:00〜18:00 (受付開始:15:45)
会場:VisLab OSAKA グランフロント大阪北館 タワーC 9F
料金:参加無料(ドネーション制)
定員:30名(予約不要、先着順)
主催:TRA-TRAVEL
助成:大阪市、芳泉文化財団
協力:C.A.P.(芸術と計画会議)、6okken、VisLab OSAKA/大阪電気通信大学
VisLab OSAKA
大阪市北区大深町3-1
グランフロント大阪北館 タワーC 9F