大阪を拠点に活躍する建築家・竹原義二と、東京を拠点に活躍する建築家・藤原徹平による対話レクチャー「希望の建築」が、2024年11月2日(土)に大阪大学中之島センターにて開催される。
大阪大学大学院の学生が企画・運営し、かつて竹原義二が保存運動を行っていた中之島で開催することとなった。
──もし明日、自分が、家族が、友達が、大切な人に死が迫っていると知ったとき、あなたは何を思い、何を求めるだろうか。その時、人に寄り添うことができる建築とは何だろう。生きるということはどういうことだろう。君が思うことを話してほしい。そして共に、議論をしよう。
「希望をもたらすための建築」を考えてきてください。建築家・竹原義二氏は大阪大学で修士1年の学生へ、10年以上に渡って「希望の建築」と題したマギーズセンター(癌を告知された患者、その家族や友人のための施設)の設計課題を出題し続け、私たち学生にこのように問い続けてこられました。先生との対話形式のエスキースは、単なる形の問題ではなく、建築の根源的な意味に目を向け、同時に「自分とはなにか」を考え続ける時間であったように思います。
巨大な建物が立ち上がっては静かに消え、昨日あった景色がいつの間にか消え去る都市の世界。
住む人がいなくなり、人知れず忘れ去られていく山間の集落。
大災害によって、一瞬にして失われる暮らしの風景。
それでも「建築をつくる」とはどういうことなのでしょうか。
こんな時代に、人々は「建築」に何を求めているのでしょうか。学生時代より集落の生活改善運動、全国の民家・古建築の実測などを通して、人々の暮らしの在り方を考え、すまいを原点に住宅や福祉施設、教育施設などを設計してこられた竹原義二氏。
様々なリサーチを通して、時間をかけて土地の声に耳を傾け、地域の内側から生まれてくるような建築の在り方を追及する、地域の創造的再生を実践されている藤原徹平氏。
世代や活動拠点も異なるお二人をお招きして、人が生きることを支える建築──希望の建築──について、対話形式のレクチャーを行っていただきます。学生、社会人、どなたでもご参加いただけます。竹原義二氏、藤原徹平氏、そして来てくださった方々と共に、
これからの建築について語り合う時間にしたいと考えています。–
竹原義二
1948年徳島県生まれ。建築家石井修氏に師事した後、1978年無有建築工房設立。
大阪市立大学大学院生活科学研究科教授、摂南大学理工学部建築学科教授を歴任。
現在、関西大学環境都市工学部建築学科客員教授。
40余年の設計活動の中で、住宅を中心に180を超える作品を手掛け、日本建築学会賞教育賞・村野籐吾賞・都市住宅学会業績賞・こども環境学会賞など多数受賞。
近年は幼稚園・保育所、障がい者福祉施設、老人福祉施設など、
住まいの設計を原点に人が活き活きと暮らす空間づくりを追求している。藤原徹平
1975年横浜生まれ。横浜国立大学大学院修了。
2001年より隈研吾建築都市設計事務所勤務、同事務所設計室長を経て2012年退社。
フジワラテッペイアーキテクツラボ主宰。
2012年より横浜国立大学大学院Y-GSA准教授。
建築家、教育者、研究者、まちづくり実践者、アートプロジェクトプロデューサーとして、
学領域や分野を横断した多くの実践を行い、昨年度は「チドリテラス」でJIA新人賞を受賞。
建築・ランドスケープのデザインを通した地域の創造的再生に取り組みつづけている。
竹原義二×藤原徹平対話レクチャー「希望の建築」
日時:2024年11月2日(土)15:00〜18:00 (開場14:30)
会場:大阪大学中之島センター 佐治敬三メモリアルホール
料金:参加無料
定員:144人(先着順)※要申込。申込はこちらから
主催:大阪大学建築レクチャー学生実行委員会
共催:大阪大学大学院工学研究科 地球総合工学専攻 建築工学部門
大阪市北区中之島4-3-53