
西天満のギャラリー・N projectにて、映像作家・ジダーノワ アリーナ個展「Fictitious」が開催される。
ジダーノワ アリーナはモスクワ(ロシア)に生まれ、1歳のときに北海道に移住し、京都市立芸術大学大学院博士後期課程 美術研究科構想設計領域を修了した。現在は京都を拠点に映像作家、キュレーターとして活動している。主な受賞歴として、第2回 CAF賞 最優秀賞(2015年)、Kyoto Art for Tomorrow 2021 ‒京都新鋭選抜展- 最優秀賞(2021年)など。
これまでロシア、ドイツ、フランスをはじめとする国内外で行ってきたリサーチをもとに、忘却と想起、記憶の再構築などが持つ可能性とその広がりに着目し、作家自身や他者の私的な語りを題材として、アニメーションや自作した架空の言語を用いた独自の映像作品を発表している。
本展における主要な映像作品《いまと私、わたしともうひとり》は、誰しもに起こり得る忘却から人格を再構成された仮想的人格のありようを映像表現として探求した作品です。映像の中の作家自身による語りには、自分の記憶について話す「私」と、忘却した記憶から生まれたもうひとつの人格としての架空の「わたし」が交互に現れます。また、今回の展示のために制作された《Suitcase》では、架空の4つの人格が登場し、スーツケースにその「人格」を詰めて旅立っていきます。忘却した記憶と虚構の間を行き来しながらつくられた「人格」を描くこれらの作品は、少しずつ絵が変容し、塗り替えられ、一枚の絵が出来上がってくる映像が得られる「アーカイブ・ドローイング」というアナログなアニメーションの技法で制作されており、この技法によって、記憶の書き換えやストーリーテリングに内在する曖昧さを視覚的に表現しています。
本展では、映像作品《いまと私、わたしともうひとり》、《Suitcase》に加え、その制作過程で作られた原画とエディション作品など十数点を展示します。この機会にぜひご高覧ください。(プレスリリースより)
会期:2025年2月14日(金)〜3月13日(木)
会場:N project
時間:月〜金曜 10:00〜17:00、土曜 11:00〜18:00
休廊:日曜、祝日
企画・協力:野村 敦子
関連トークイベント
「想起と忘却の交差点:アートと認知心理学の境界を超えて」
日時:2月22日(土) 14:00〜15:00
登壇者:ジダーノワ アリーナ(作家)、 堀田千絵(博士(心理学)/京都市立芸術大学准教授)
会場:N project
料金:参加無料
着席定員:20名 ※途中参加/退室OK
申込: https://ssl.form-mailer.jp/fms/cb6eda75843549問合:06-6362-1038
大阪市北区西天満5-8-8 2F