北加賀屋にある、築60年の文化住宅を改修した複合文化施設・千鳥文化。第1期改修工事が終了し2017年にオープンしたが、このほど第2期工事も完了、竣工記念のオープンハウスを開催する。

改修前の「千鳥文化住宅」は、かつてこの町にあった造船所で働く労働者が住んでいた店舗付住宅で、半ば素人の大工たちの手で増改築が繰り返されたと思われるブリコラージュの建築だった。一度失われたら二度と建てられないこの数奇な建物を残そうと、家主の千島土地株式会社が、近隣に事務所を構える建築事務所・ドットアーキテクツと、クリエイティブ集団・grafと3者でチームを組んで再生計画に着手。「継ぐカタチ」をコンセプトに、できるだけ手を加えずに改修した。オープン後は、ドットアーキテクツとクリエイター仲間がカフェとバー、ショップを運営し、不定期にイベントも開催するなど、北加賀屋の住民とアート関係者がゆるやかに交わるコミュニティスペースとして活動している。

第2期工事のリノベーションでも、設計はドットアーキテクツが担当。建物のもつ歴史を尊重しながら、建物の状態を丁寧に診断、残せるところは残し、新しくするところは新しく手を加えて再生。外観は必要最低限の補修を行い、吹き抜けを有するホール（イベントスペース）と計9つのテナント区画をもつ建物に改修された。現在、入居者を募集中だ。

オープンハウス当日は、千鳥文化食堂・商店が営業、バーは特別にお昼よりオープンし、設計を担当・一部運営に関わるドットアーキテクツのメンバーがバーテンダーとして立ち、現地を案内する。あわせて第2期工事部分の入居テナントである、惣菜テイクアウトと調味料や生活雑貨のお店「あてや」のオープン、ヨガ教室「YOLO」のオープンに際したヨガ体験会も行われる。
ホールでは、美術家・時里充の展覧会「見た目カウントトレーニングス」も開催中。