
2025年4月18日(金)に、土佐堀にオープンしたギャラリー「BALC」。名前の由来である「Base Art Leisurely Culture」には、“アートをもっと身近に、そして自由に楽しんでもらいたい”という想いが込められている。
同ギャラリーの初めての展覧会として、アーティスト、’G-sim’ Seyeon (ジ シム セヨン)の個展が、6月1日(日)まで開催中だ。
G-sim’ Seyeonは、過去から現在と未来まで貫通する時間の中に存在する刹那の瞬間を捕捉する。このような刹那の瞬間は瞬く間に起きて消える時間で、活動初期には爆発する炎を描いた場面で刹那の瞬間が表現され、最近では海辺の波形状が登場する。四方に爆発する炎と前後に壊れる波の姿は、あっという間に起きて消える時間性を表現している。一方、瞬間的な時間とは対照的に、波が起きる海の水道と波に磨耗した岩の形状は、過去から未来まで絶えず流れる時間を示し、同じ時間の中で異なって流れる時間性を示す。過去と現在、そして未来を交差するそれぞれ異なる時間の形が表現されたジシムセヨンの作品は、過去の時間を捕まえる次元ではなく、過去を思い出して未来を見通すが、結局は全く分からない私たち一人一人に与えられた刹那に直面する。
アーティストからのコメント
指先の感覚を辿っていくと、言葉ではうまく説明できない感情の痕跡にふと出会うことがある。
絵の具を押し広げ、跡を残し、また覆い重ねる。その繰り返しの行為は、まるで感情を捉えようとする試みのようでもある。
ある瞬間の記憶は、ふいに蘇る。それは消えてしまうのではなく、感覚の残像として留まる。
今回の展示では、そうした残像がどのように重なり、揺らぐのかを、ゆっくりと画面に映し出した。
過去のイメージや制作手法をもう一度取り出し、今の感覚の上に重ねてみる。
同じ行為を繰り返しても、その密度は毎回異なる。
ひとつの固定された場面ではなく、時間が変わるにつれて、感覚もまた変化していく。
この展示が表すのは、ひとつの感情そのものではなく、それを取り巻く余韻や痕跡をたどる旅。
残された感覚の時間が、鑑賞する人のまなざしと交わることを願っている。G-sim’ Seyeon プロフィール
韓国出身の画家。これまでに個展を10回以上、グループ展を30回以上開催している。
「ART MIAMI(アートマイアミ)」、「KIAF(キアフ:韓国国際アートフェア)」、「Volta Art Fair(ボルタ・アートフェア/ニューヨーク)」など、世界中の有名なアートフェアに参加。
また、「KOREA ART FAIR(コリア・アートフェア)」、「ART BUSAN(アート釜山)」、「BHAK(ビーエイチエーケー)」、「HPIX(エイチピックス)」といった韓国国内の重要な展示にも数多く参加している。
さらに、ベルリンで約3年間活躍、スポーツブランドの「ADIDAS(アディダス)」とのライブペインティングイベントにも参加するなど、幅広い活動を行っている。
‘G-sim’ Seyeon solo exhibition「刹那 A moment we shared」
会期:2025年4月18日(金)〜6月1日(日)
会場:BALC
時間:11:00〜19:00
休廊:月曜
料金:入場無料
問合:info@balc.jp
大阪市西区土佐堀2-1-6