
日本には古くから、世界に存在するすべてのものに、神や魂が宿るという考え方があります。
動物や植物、自然のものだけでなく、長く使われてきた道具や物にまで、目に見えない“存在”を感じるという感覚です。こうした思想は「アニミズム(精霊信仰)」と呼ばれ、死霊や精霊、神などの霊的な存在を広く受け入れる価値観のもとに成り立っています。
日本人の暮らしや文化の中には、このような感覚が自然に溶け込んでおり、古い道具に感謝を込めて処分したり、
擬人化した物に語りかけたりといった行為は特別なことではなく、ごく身近なものとして捉えられてきました。一方、現代の物理学や宇宙科学では、私たちに見えている世界はごく一部に過ぎず、ダークマターやダークエネルギーといった、正体のわからない存在が宇宙の多くを占めていると考えられています。
このように考えると「私たちの身のまわりに見えない何かが存在しているかもしれない」という感覚は、決して非科学的なものとは言い切れません。
むしろ、それは太古の信仰と現代科学の間にある興味深い接点の一つとも言えるでしょう。こうした“見えない存在”をテーマに作品をつくることができたなら、世界をもう少し深く見つめる為の表現になり得るかもしれません。
見えないものへの眼差しが目に見える現実の感じ方を変えていく、そんな作品が生まれる可能性もあるのではないかと考えています。–
1974 大阪府生まれ
1997 大阪芸術大学芸術学部美術学科卒業個展
2015 Oギャラリーeyes(大阪)
2016 Oギャラリーeyes(大阪)
2017 Boundaries Oギャラリーeyes(大阪)グループ展
1999 アーバナート#8 (渋谷パルコ・東京)
2009 第12回リキテックス・ビエンナーレ (スパイラル・東京)
2009 グループ展2009.nov.painting+ (CUBIC GALLERY/大阪)
2010 「かわらぬものへ」 グループ展2010 jan.painting+gallery collection (CUBIC GALLERY・大阪)
2010 作家とモデルさん (Body・ Head ・Mind 2010) (CUBIC GALLERY・大阪)
2010 あさご芸術の森大賞展 (あさご芸術の森美術館・兵庫)
2011 グループ展 Painting 2011-11(CUBIC GALLERY・大阪)
2015 Semantic portrait 3 (Oギャラリーeyes・大阪)
会期:2025年5月31日(土)〜6月15日(日)
会場:JITSUZAISEI
時間:14:00~19:00/BAR 19:00〜(20:00以降に来店の場合は要連絡)
休廊:火・水曜
問合:06-6224-4475
大阪市東成区大今里4-14-18