ペドロ・コスタ監督最新作『ヴィタリナ』公開記念特集上映が、10月17日（土）よりシネ・ヌーヴォにて開催される。

40年もの間リスボンへ出稼ぎに出ていた夫の危篤を知り、アフリカのカーボ・ヴェルデからやってきたヴィタリナ。すでに葬儀は終えられていたが、彼女は夫が暮らしたスラム街フォンタイーニャス地区の部屋に留まることを決意し、訪れる路地の人々に自らの波乱に満ちた半生を語りはじめる。

本作の主人公を演じたのは、移民女性ヴィタリナ・ヴァレラ。自身と同名の役を演じ、虚実の狭間で人生を語りかける姿は、ペドロ・コスタが生み出す映像の陰影のなかで圧倒的な存在感を放つ。

特集では『ヴィタリナ』をはじめ、長編第一作の『血』、フォンタイーニャス地区に暮らす人々を見つめ、ともにつくり上げた『ヴァンダの部屋』『コロッサル・ユース』『ホース・マネー』、フランスの女優ジャンヌ・バリバールの音楽活動を記録した『何も変えてはならない』など過去作をラインナップするほか、オーレリアン・ジェルボー監督による、『コロッサル・ユース』制作中のペドロ・コスタの姿を追ったドキュメンタリー『映画作家ペドロ・コスタ／オール・ブラッサムズ・アゲイン』も上映。最新作とともに彼の軌跡を辿る。