2021年6月19日(土)より「2021年 香港インディペンデント映画祭」が大阪のシネ・ヌーヴォで開幕する。本企画は、2017年に東京・名古屋・大阪の3都市で開催された同映画祭の第2弾。2014年に起こった〈雨傘運動〉から2019〜2020年の香港民主化デモの間に制作された、“香港の真の姿”を描き出す日本初上映の全18作品が上映される。
上映作品には、香港本土派の政治活動家であるエドワード・レオンを取材したドキュメンタリー『僕は屈しない』、雨傘運動の影響を受けたある家族の顛末を描く劇映画『逆さま』、2019年11月香港理工大学(理大)で起こった、警察と学生の衝突を記録した『理大囲城』などの長短編がラインナップ。また、各日最終回の上映後にはトークイベントも予定されている。
大きな転換期を迎え、映像で複層的に表象される香港社会を、ドキュメンタリーや劇映画を通じて考えるきっかけとなるだろう。
前回の映画祭が開催された2017年からコロナ禍が起きる2020年まで、ここ数年間の社会と政治状況の激変に対応して、香港の現状を誠実に描いた劇映画とドキュメンタリー映画も数多く作られたが、その多くが商業映画ではなく自主映画だ。映画業界の自己検閲もあり、残念ながらそれらの映画は香港の劇場でも一般公開までには至っていない。2020年のロッテルダム国際映画祭では、香港で上映されなかった政治的なテーマを扱った自主映画の特集が組まれ、国際的にも大きな反響を得たが、日本ではまだ一本も紹介されていない。
今回の、2021年香港インディペンデント映画祭ではそのような映画を精選して上映する。必ずしもデモをそのまま描く映画ばかりではなく、雨傘運動の失敗から2020年まで、香港の若者が一体なにを考え、そしてなぜ彼らが死を覚悟しながら、抗争に命懸けで積極的に参加したのか。多種多彩の映画を通じて日本の方々に理解していただくきっかけになればと考えている。
リム・カーワイ(映画監督、2021年香港インディペンデント映画祭主催)
日時:2021年6月19日(土)〜25日(金)
会場:シネ・ヌーヴォ
料金:一般1,500円、学生・シニア1,100円、高校生以下・会員1,000円
問合:06-6582-1416
※上映スケジュールなど詳細はシネ・ヌーヴォWebサイトを参照
※鑑賞3日前から窓口およびオンラインでチケットを購入可能(鑑賞当日、オンライン予約の場合は専用窓口で発券、当日券は窓口で指定席を選択の上、開始10〜15分前から入場可能)
※全席指定(満席の場合は入場不可)
※全作品日本語・英語字幕付き上映(『逆さま』は日本語字幕のみの上映)
「香港インディペンデント映画祭」公式サイト:https://jphkindie.wixsite.com/2021