現代美術家・木村華子の個展「@Same_Not_Same」が、北浜のKITAHAMA N Galleryにて開催される。DMOARTSが主催。
木村は大阪市在住。大学卒業後、商業フォトグラファーとして雑誌や広告などを撮影するかたわら、自身のライフワークとして作品制作を行っている。
今回の個展では、木村の新プロジェクト「@Same_Not_Same」を初披露。このプロジェクトは、世界59カ国・445店舗を展開する大企業・IKEAで販売される「LILLEPLUTT」というプロダクト(猫の姿をしたソフトトイ)にフォーカスしている。この玩具は大量生産品であり、世界中で同じ商品として販売されているが、製造過程に生まれる差異によってひとつとして同じ見た目の個体はなく、価格も販売されている国や地域によって異なり、所有者にとってその存在の意味も違っている。
UNKNOWN ASIA 2018グランプリ受賞後、アジア各国を訪問した木村は、このプロダクトを通して諸国の「個人」と関わり、彼らが、私たちが構成しているこの世界のリアリティを探求しようと試みてきた。具体的には、訪れた国のIKEAで「LILLEPLUTT」を10体ずつ購入して持ち帰り、大阪の自宅で撮影。次に訪れる国に持っていき、現地で出会った人に手渡して「LILLEPLUTT」に名前をつけた上で写真を撮影してもらい、ハッシュタグ(#samenotsame #LILLEPLUTT)と共に自身のSNSのアカウントに投稿するよう依頼した。
木村はこのプロジェクトを、2019年に大阪、タイ、台湾、中国、韓国で展開。その過程で集まった画像は、すべて本作品の一部となっている。
フォトグラフィーと立体作品、Instagramのアカウントを含む最新シリーズを通して、一見対立する概念が切り離せないものとして混在し両立すること、またその間には広大なグレーゾーンが横たわっていることを提示する。
京都府生まれ、大阪市在住。2012年、同志社大学文学部美学芸術学科卒業。
大学卒業後、商業フォトグラファーとして雑誌や広告などを撮影する傍、自身のライフワークとして作品制作を開始する。
主に「存在する/存在しない」などの両極端と捉えられている事象の間に横たわるグレーゾーンに触れることをステートメントの中心に据え、時代性を内包したコンセプチュアルな作品を展開する。
近年は写真を主軸とした表現に留まらず、立体作品、コラージュ、インスタレーションなども手がけている。<受賞歴>
2020年「Sony World Photography Award 2020」ナショナルアワード(日本部門賞)2位
2018年 「UNKNOWN ASIA 2018」グランプリ受賞、レビュアー賞5部門、審査員賞4部門
2017年 「第16回 写真1_WALL」審査員奨励賞受賞 (菊地敦己氏選)
2013年 「KYOTO PHOTO AWARD」 アワード部門優秀賞受賞
2012年 「御苗場vol.11」 レビュアー賞2部門受賞
会期:2021年7月17日(土)~28日(水)
会場:KITAHAMA N Gallery(THE BOLY OSAKA B1F)
時間:11:00~19:00
料金:入場無料
作品Instagram https://www.instagram.com/same_not_same/
KITAHAMA N gallery
大阪市中央区北浜2-1-16
THE BOLY OSAKA B1F