水の優れた性質を追求する、サイエンスに基づくスキンケア化粧品「D.W.M.(ディー・ダブリュー・エム)」が2021年11月1日(月)にデビューした。クリエイティブディレクションはTERUHIRO YANAGIHARA STUDIO、香りの制作はアーティストの和泉侃氏が担当している。ここでは、両名のコメントを交えながら、D.W.M.の魅力について探っていきたいと思う。
ひとりひとりが秘めた未知なる力を静かに目覚めさせ、内から美しくなることを提案する化粧品ブランド、D.W.M.。
使い続けることで、自身の肌がすこやかに保たれていることを実感していただける、スキンケア商品のラインアップは、クレンジング、洗顔料、乳液、化粧水、美容液とシンプルな5アイテム展開。
D.W.M.は、ジェンダーや世代・国籍などの境なく、地球に生きる私たちの変化し続けるライフスタイルにおける重要な要素となる、これからの化粧品の新しい価値を追求していきます。
D.W.M.のネーミングは、ダーウィンが著書『種の起源』のなかで述べている「Descent With Modification (変化を伴う由来)」という言葉に由来している。TERUHIRO YANAGIHARA STUDIO代表の柳原照弘氏に誕生の経緯を尋ねてみた。
「D.W.M.は、株式会社ケイビーティーの木村茂明先生が開発された、微弱荷電製法*を採用しています。スキンケア化粧品は肌に栄養を与えることをコンセプトとしたものが一般的ですが、D.W.M.は、使い続けることで 肌自体の潤いを実感できるようなコンセプトの化粧品。このプロジェクトはiki salonの中昌幸さんが発起人で、彼を通じて木村先生を紹介いただきました。打ち合わせのなかで先生からお聞きしたのは、微弱荷電製法のもつ技術は、悪いものを自然に排除し、良いものを進化させていくものだということ。その時期に僕がちょうど『種の起源』を読んでいたこともあり、『Descent With Modification』という言葉にしっくりきて、ブランドの方向性として提案したんです」
*微弱荷電製法:微弱荷電とは、人間・動物・植物など生きているもの全てに流れている微弱な電流(生体電流)の源をなすものです。D.W.M.のプロダクトでは微弱荷電製法を用い、製品に微弱荷電処理を施すことにより、化粧品における界面活性剤や防腐剤の低減・成分の安定した均一分散・ 有用成分の浸透(※角質層まで)を実現しています。 (D.W.M. Webサイトより引用)
独自のサイエンス技術に加え、D.W.M.のもうひとつの魅力は、大阪とフランスを拠点に活動するTERUHIRO YANAGIHARA STUDIOだからこその、国を超えたクリエイティブディレクションだろう。今回、アートディレクション、グラフィックデザインを担当しているのはAll the Way to Paris。タニア・バイブとペトラ・オルッソン・ゲンズがコペンハーゲンを拠点に立ち上げたデザインスタジオだ。柳原氏は語る。
「僕たちは、仕事の領域としてブランディング全体を担うことが多いですが、アウトプットするグラフィックだけは、ブランドに合ったパートナーにお願いするようにしています。D.W.M.は、ジェンダーや世代・国籍などの境を超えたインターナショナルブランドを目指していたので、日本だけに留まらないクリエイションを消費者に届けるため、彼女たちにお願いしました」
柳原氏がAll the Way to Parisと仕事をするようになったのは、以前京都に事務所を構えていた際に、ペトラ氏が訪ねてきたことがはじまりだ。彼女たちが活躍する北欧のデザインは洗練されており、また独自のスタイルのなかで仕事をすることは、同じ内容の案件でも体験の質が全く違うという。
「日本では言葉で共通認識を図ることが多いですが、彼女たちはイメージで提案するので、僕らにとってとても新鮮です。また、仕事は集中してビシッと決める一方、合間にはみんなで会話や食事を楽しむような時間も大切にされており、テーブルに飾られた花、並ぶお皿や料理の盛り付けなどの一つひとつに彼女たちのセンスを感じます。彼女たちと一緒に仕事をすることは、リファレンスの量が多く僕たち自身も楽しいですね」
彼女たちのこれまでのデザインを見てみると、アーティスティックなビジュアルのなかに、遊び心のある色彩やアイデアが詰まっている。今回のD.W.M.のメインビジュアルのひとつである顔を切り取られた女性の写真も、本来ならばメインとなる顔を、あえて隠すことでジェンダーレスを表現するというユーモアな発想だ。日常のなかにある楽しみや発見を大切にする彼女たちならではの感性が、ブランド独自のアイデンティティにつながっているのかもしれない。
D.W.M.のラインナップは、クレンジング、洗顔料、乳液、化粧水、美容液とシンプルな5アイテム。パッケージの鮮やかなイエローがキーカラーとなっており、ブランドイメージがもつポジティブさや溌剌とした雰囲気を感じさせる。天然素材や自然由来のものを扱う場合、日本ではアースカラーが採用されることが多いが、この斬新な配色と存在感はAll the Way to Parisならではの発想だろう。また、各商品のグラフィックは、「D.W.M.」のロゴタイプを化学記号のように並べ、ブランドが掲げるサイエンス技術を表現している。
アイテムの香りを手がけた、淡路島を拠点に活動するアーティスト・和泉侃氏にも話を聞いた。
「柳原さんに見せていただいたAll the Way to Parisのビジュアルはとてもインパクトがあったので、香りはそれをより引き立てる、質の良いキャンバスのような役割を担いたいと思いました。ブランドコンセプトに合わせて、植物の進化論をベースに5つのアイテムそれぞれに香りを制作しています。ケアのステップに従って、海藻からコケ類、シダ類、針葉樹・広葉樹、そして多種多様な草類を原料に選んでいます。天然香料のみをブレンドした香りは、重ねることでその深みも増していくので、使いながら進化のストーリー性を感じていただけると嬉しいです」
さっそく私もD.W.M.のアイテムを使ってみた。そのなかで特に驚いたのは、ノンオイル処方のクレンジングリキッドだ。クレンジングは5種類のなかで一番最初に使うもの。顔に塗布して擦らず、しばらく待つと汚れが浮いてくる。あとは流すだけという手軽さも嬉しく、顔に載せた瞬間に広がる香りの心地よさにはクラクラした。一般的に販売されているクレンジングオイルなどは、水と油を混ぜ合わせる界面活性剤を用いることでメイクを乳化するが、D.W.M.のアイテムは、微弱荷電製法によって界面活性剤を極限まで低減して乳化できるため、肌への負担が少なく敏感肌でも使用できる。防腐剤の低減に試み、環境に配慮しているところもポイントだ。
D.W.M.では、ブランドの思想を伝えることを大切に考え、世界観に共鳴する国内外のアーティストとコラボレーションを展開していく。第1回目のコラボレーターは、フォトグラファーのカスパー・サヤルセンが参加。D.W.M.のブランドイメージとシーズンアートワークを手がける。
使い続けることで良さを実感し楽しめるブランドD.W.M.。アーティストとのコラボレーションと合わせて楽しむことで、自身の価値観もより深く広がっていくのではないだろうか。
D.W.M
クレンジングリキッド ウィズ モディフィケーション<クレンジング>¥6,800 /140mLフェイスウォッシュ ウィズ モディフィケーション<洗顔料>¥6,800 /140mL
エマルジョン ウィズ モディフィケーション<乳液>¥8,500 /140mL
トナー ウィズ モディフィケーション<化粧水>¥6,800 /120mL
エッセンス ウィズ モディフィケーション<美容液>¥11,000 /50mL
Web:https://dwmcosmetics.com
Instagram:https://www.instagram.com/dwmcosmetics/Creative Direction:TERUHIRO YANAGIHARA STUDIO
Photography:カスパー・サヤルセン
Art Direction & Graphic Design :All the Way to Paris
Scent Design:和泉侃
Text:小川彩