版画を中心に、写真や映像作品などを制作する上田佳奈の個展「事の次第」が、天神橋5丁目にあるギャラリー・hitotoにて開かれる。
版画という手法においては、同じ版を用いてもインクのかすれやズレ、濃淡が生じる。上田は、そういった版と写しの関係性を、日常のなかのさまざまな事象にも同じように見ているようだ。ギャラリーのWebサイトにある、以下のプロフィール(抜粋)から、作家のつくる姿勢がわかる。
例えば、同じレシピで調理しても、作り手によって誤差が生じる。
また、同じ言葉を聞いても、人それぞれ受け止め方が違う。
発信側と受信側の特質や傾向、また偶然の作用によってもたらされるズレが現れる。
言い換えると、レシピや言葉といった版があるからこそ、版と写し、それぞれの本質が浮き彫りになるのである。私は、写しとることで生じる誤差や、転写できない不確かなものを抽出し、痕迹として定着させたいと考えている。
会期中には、版画用のミニプレス機を使って、拾ってきたゴミを刷るワークショップも開催される。
会期:2019年11月2日(土)〜16日(土)
会場:hitoto
開館時間:13:00〜19:00
定休日:火・水曜日
料金:入場無料
オープニングパーティ
11月2日(土)18:00頃〜21:00頃
ワークショップ「ゴミ版画ミニ」
日時:11月9日(土)10:30〜12:30頃
費用:2,000円
定員:5名(Webサイトより予約)
手順: 1. ギャラリー近辺でゴミを拾う 2. ゴミにインクを詰める 3. プレス機で刷る
大阪市北区天神橋5-7-12 天五共栄ビル301