アーティスト・田中功起が2019年に手がけた、現実とフィクションが交差する拡張されたドキュメンタリー『可傷的な歴史(ロードムービー)』の上映会とトークセッションが、茨木市福祉文化会館(オークシアター)にて開催される。
追手門学院大学社会学部の富田大介教授が企画し、茨木市文化振興課、公益財団法人茨木市文化振興財団との共催で実施。
多文化共生・理解などについて、映像作品の上映とトークを通じて考える。
『可傷的な歴史(ロードムービー)』
世界中でこれほどまでに排外主義が表面化すると誰が予想していたであろう。異なる人びとが「いかに共に生きるか」という問いは空しいものになってしまったのだろうか。
本作は、私たちの住むこの社会の深奥を二人の主人公の対話をもとに紐解いていく。東京に暮らす在日コリアン3世とチューリッヒから来た日系スイス人の二人。初対面の二人が、ともに荒川や川崎を旅し、在日コリアン排斥の過去と現在に出会っていく。関東大震災後の虐殺の現場やヘイトスピーチの行われた地域、それらを移動しながら関連する法律を読み上げ、その過程で二人は少しずつ心を開き、いままで語れなかった感情を言葉にしていく。私たちはどのようにして誰かを理解するのだろうか。誰かの複雑さを、どのように受け止めることができるのだろうか。現実とフィクションが交差する拡張されたドキュメンタリー。
(田中功起)トークセッション
本作を関西で最初に上映したのは THEATRE E9 KYOTOです。そのシアターは、京都の朝鮮学校の前でヘイトスピーチがされだしてから十年後の2019年に、東九条で幕を開けました。茨木市の文化ホールもそうですが、劇場は、人々が語る (騙る)ことで心の歴史を創ってゆくところです。今回のトークセッションでは、この映画をめぐる社会問題や背景、そして文化施設の意味などについて、話し合います。
(企画者 追手門学院大学 富田大介)(フライヤーより)
上映会&トークセッション 田中功起『可傷的な歴史(ロードムービー)』
追手門学院大学社会学部芸術文化事業日程:2022年1月8日(土)
会場:茨木市福祉文化会館(オークシアター)・5階文化ホール
時間:13:00~16:00(12:30開場)※13:00〜上映/14:45〜トークセッション
トークセッション出演:田中功起(アーティスト)、あごうさとし(劇作家・演出家・THEATRE E9 KYOTO 芸術監督・アーツシード京都代表理事)、松谷実のり(追手門学院大学社会学部准教授)、富田大介(追手門学院大学社会学部教授)[司会]
料金:無料 *全席自由、要申込 https://ws.formzu.net/fgen/S50329255/
※受付期間:11月15日(月)~12月15日(水)
※希望者が多い場合は抽選。抽選結果は12月18日に発表。問合:(公財)茨木市文化振興財団 072-625-3055
『可傷的な歴史(ロードムービー)』
2019年/スイス、日本/カラー/78分
監督・プロデューサー・編集:田中功起
出演:鄭優希、クリスチャン・ホファー
茨木市駅前4-7-55