此花のthe three konohanaにて、加賀城健(1974年〜)の同ギャラリーでの4年半ぶりとなる個展が開催される。
前回の2017年の個展「Physical / Flat」では、染色と現代美術の領域と行き来しながら多岐に展開されてきた彼の表現を、「身体性(Physical)と「平面(Flat)」の視点から捉え直した。
この個展の直後に、加賀城は金沢美術工芸大学の専任教員に着任。作家としての自らの姿勢を後進に示そうとする中で、感覚的な制作手法を抑え、論理的にそれを選択する意識が高まったという。自身の作品を構成する主な素材である布や染料としての水、糊などの性質を、実験と観察を幾度と重ねて理解することは以前から変わらぬ姿勢だが、作品制作において自身が取り組む領域と、自然の現象に委ねる「他力」と呼ばれる領域を、いかに理知的に定めていくかに思考を向けるようになった。その結果として、近年の作品は染色技法のレイヤーが複雑化し、表層的には制作のプロセスが捉えにくい視覚構成になっている。
本展は、前期と後期の会期それぞれに、最新作を中心に展示手法や作品の形状が異なる2種類の個展形式で構成。石川県に制作の拠点を移して4年、大阪の頃から変わらない加賀城の制作意欲と、彼が捉えている今後の表現の射程を披露する展示となる。
加賀城 健「Manipulation / Interchange」
会期:
(前期)2022年1月6日(木)~16日(日)
(後期)2022年1月27日(木)~2月13日(日)会場:the three konohana
時間:12:00~19:00
休廊:月〜水曜、1月17日~26日(展示替えのため)
問合:06-7502-4115 info@thethree.net
大阪市此花区梅香1-23-23-2F