クリスチャン・ラッセンや心霊写真などをモチーフに、作家自身の身体や知覚の限界に挑みながら、「イメージの倫理」を問う活動を展開している原田裕規の個展が、京都芸術センターにて開催される。
原田は1989年生まれ。実写映像、パフォーマンス、絵画、 CGI 、キュレーション、書籍など、多岐にわたる表現活動を行っている。直近では2021年に金沢21世紀美術館で個展を開催し、ドイツ・ロマン主義の風景画や1960年代のコンセプチュアリズムに通底する「水辺」への関心をモチーフに、多義的な空間性を3DCGによってビジュアライズした作品《Waiting for》を発表。その33時間に及ぶ長編CGアニメーションは注目を集めた。
今回の展示では、《Waiting for》 に加えて、長野県にある諏訪湖で撮影された映像を用いた新作インスタレーション、24時間にわたって写真を見続ける様子を記録した《One Million Seeings》 など、新旧作品を新たな構成で展開する。
本展タイトルの「Unreal Ecology (アンリアル・エコロジー)」は、「人工的な環境/人工的な生態系」を意味し、生成的につくられた仮想空間から、現実世界の自然環境、現代文明の消費流通システムに至るまで、幅広い対象を捉えている。
本展を通じて原田が投げかけるのは、CG 、映像、写真などの「イメージ」もまた、独自の生態系をもっており、それに対して私たちが持つべき倫理観とはどのようなものかという問い。展示される3つの作品は、それぞれの方法でこの問題に向き合った実践の記録であるといえる。
会期:2022年1月29日(土)~2月27日(日)*会期中無休
会場:京都芸術センター ギャラリー北、南、和室「明倫」
時間:10:00〜20:00
出展作家:原田裕規
料金:入場無料
主催:Unreal Ecology 、京都芸術センター(公益財団法人京都市芸術文化協会)*Co-program2021カテゴリーB 採択企画
特設Webサイト:https://haradayuki.com/unreal-ecology/
関連企画
アーティストによるギャラリーツアー
聞き手:谷竜一(京都芸術センター プログラムディレクター)
日時:1月30日(日) 11:00〜
定員:15 名(要事前予約)予約はこちらトークイベント(1)
登壇者:原田裕規、富井玲子(美術史家、ポンジャ現懇主宰)*リモート参加
日時:2月11日(金)10:00〜11:30
定員:15 名(要事前予約)予約はこちらトークイベント(2)
登壇者:原田裕規、梅津庸一(美術家、パープルーム主宰)
日時:2月25日(金) 19:00〜20:30
定員:15 名(要事前予約)予約はこちら
京都市中京区室町通蛸薬師下る山伏山町546-2