谷町六丁目のギャラリー・+1artで、2022年1月26日(水)から井上明彦の個展「二つの傾斜地で 空堀と竜ケ迫」が開催される。
井上は、1990年代半ばより、水、重力、地面、屋根など、人間の生存を基礎づけるものに対して、絵や立体、インスタレーション、アートプロジェクトなど、多様な方法で関わることを続けている。本展では、 「ふたしかな屋根」シリーズなどの過去作でも注目してきた「傾き」をテーマに、インスタレーションなどを展示する。+1art主宰がギャラリーと並行して営む宿屋「自遊学校」のある高知県の竜ヶ迫(たつがさこ)と、+1artのある大阪の空堀は、ともに傾斜に富んだ土地。調査をもとに、大阪ー高知という離れた2つの土地を結びつけ、リアルタイム映像を交えて提示する。
1月29日には、竜ヶ迫から持ち帰った海水を使い、会場周辺の空堀の傾きの測定や水の追跡などを行うワークショップ「空堀をトレースする」を開催する。また、会期中には参加型プログラム「空堀散歩」の特設サイトもオープン。参加者は会場に置かれた地図を頼りに+1artからもうひとつの会場「+2」 の間を散歩し、見つけた「興味深いモノのありよう」を 画像、動画、テキストなど自由な方法でサイトにアップする。
昨年の展示「CON・CERT」に続く、周囲のまちと鑑賞者を巻き込む+1artのチャレンジに注目。普段の美術鑑賞とは違う、身体全体を使った体験をぜひ味わってみてほしい。
+1artを主宰される野口さん・カワラギさんが営まれる自遊学校のある高知の竜ヶ迫(たつがさこ)と、+1 art・+2 のある大阪の空堀は、共に傾斜に富んでいる。斜面は、そこに置かれるモノに高い位置エネルギーを与え、水平面にはない異質性と潜勢力をもたらす。
本展では、空堀と竜ヶ迫、二つの傾斜地に見いだされる多様なモノのありようのいくつかをトレースし、交換や変換を通じて新たな共存(コンポジション com/position)を探る。それによって傾きの可能性を開示することをめざす。
斜めの海辺に空の掘が浮かび、傾いた空の堀に海が押し寄せる日を夢想しつつ。井上明彦(+1artウェブサイトより)
会期:2022年1月26日(水)〜2月12日(土)
会場:+1art、+2
時間:12:00〜19:00(最終日は〜17:00)
休廊:日・月・火曜日
関連企画
ワークショップ「空堀をトレースする Tracing Karahori」※コロナ感染拡大により中止日時:1月29日(土) 13:30~15:00
参加費:無料 ※要予約、 gal@plus1art.jp へ連絡
大阪市中央区谷町6-4-40