谷町六丁目のギャラリー、+1artにて、美術家・菊池和晃の個展「創造力」が開催される。
菊池は1993年京都生まれ。京都市立芸術大学大学院修了。過大な労力に見合わない仕事をする装置をつくり、それを用いたパフォーマンスを行っている。
本展では、《スープ缶製造機》という自作マシンと、マシンを稼働させて生産したイメージ(ドローイング)を展示する。
子どもの頃、もの作りの日本という言葉をよく耳にしていた。 その言葉から伝統的な職人の手業を連想していたが、そうではなく、それは工作機械や消費者製品などのことを指していたようだ。どうやら戦後アメリカに習い得た、大量生産という力が今のこの国を形作る大きな要因の一つらしい。 作ること。 それ自体が一種の消費活動とも言える今、その行為が持つ力は一見個人由来の小さなものに見えるかもしれない。本当にそうなのだろうか。 日々当然のように行使されるその力について、同じく「作る」という行為を以って考えたいと思う。
菊池和晃
会期:2022年5月18日(水)〜6月4日(土)
会場:+1art
時間:12:00~19:00 ※最終日は17:00まで
休廊:日〜火曜
パフォーマンス
作品によるドローイング
日時:5月28日(土)、6月4日(土) 13:00〜
会場:+1art
参加費 無料同時開催
六根 由里香「居座るイメージが」
会期:5月18日(水)〜5月28日(土)
会場:+2 (+1artから徒歩5分)
時間:13:00~19:00
休廊:日〜火曜生活の中で見えた特異な情景や、偶然性を持って出来たオブジェクトに興味がある。
これらを版画技法やドローイングを用いて、人間の持つ知覚の曖昧さについて考察する。
今回は、版に直接描画を行うシルクスクリーンモノタイプ手法を用いる。
スキージーをスライドさせて刷り落とす動作は、イメージを消していく行為のように思える。
しかし、版には居座るようにイメージが残る。
これらは、お皿に残ってしまうカレーのルーや、雨が消しさらっていく子供が描いた道路の落書きとどこか似ている。
誰かの時間がそこに留まるような感覚を、版に居座り続くイメージと重ねる。
大阪市中央区谷町6-4-40