世界中の優れたプロダクトや現代の作家による作品、日本全国の産地が育んできた伝統工芸まで、「エターナルデザイン」をテーマに独自の審美眼でセレクトした、永く愛用できる上質なアイテムを販売する、「+S」Spiral Market 大阪。同店内に併設されたギャラリースペース「+S Gallery」にて、写真家・岡崎直哉による個展「テーブルの上 小さな風景」が開催される。
岡崎は、CDジャケットや映画ポスターなどを手がけるグラフィックデザイナー。仕事を通して写真に興味を持ちはじめ、2005年より本格的に写真家としての活動を開始。日本各地にひっそりと潜む昭和的なランドスケープや日常のワンシーンを写した、どこかノスタルジックで浮遊感のある作品を発表している。
今回は、テーブルの上に広がる日常の風景をとらえた新作や、撮り下ろしの大阪の風景を用いたポストカードを展示する。
2021年、ある朝のこと。
朝食のキウイを皿にのせて、窓辺のテーブルに置いてみた。
ふだんはあまり食べものの写真を撮らないのだけど、その日は何となしにキウイを撮ってみた。
数日後、暗室でプリントしてみる。
写真には驚くほどにきれいな光が写し出されていて、ぼくの想像をはるかに超えていた。
窓からさしこむ光が白いテーブルの上をやわらかく反射している。
まるで光のカーテンに包まれた風景のようだ。きっかけはいつもちょっとしたことから。
ぼくが愛用している「Rolleiflex」は、被写体から約1m離れないとピントがあわない。
そのことで被写体との間に大きな空間がうまれ、より多くの光と空気を写真に収めることが
できたのだと思う。しばらく旅に出ることができなくなり、ぼくはすこし風景写真を失いかけていた。
でも、何げなく撮った1枚の写真がきっかけとなって、身近にある風景をみつけることができた。風景が広がるのは扉の外だけじゃないってこと。
ぼくはテーブルの上に、小さな風景を見つけた。岡崎 直哉
会期:2022年6月13日(月)~7月17日(日)*会期中無休
会場:「+S」Spiral Market 大阪(ルクアイーレ4F)
時間:10:30~20:30
問合:06-6136-3129
大阪市北区梅田3-1-3 ルクアイーレ4F