アーティストの山下耕平がキュレーションをつとめる展覧会『中景: Act Ⅲ「岩は木のことを知らなかった。」』が、2022年6月24日（金）から7月23（土）まで、大阪・TEZUKAYAMA GALLERYと東京・LEESAYAで同時開催される。

本展は2015年のActⅠ、2016年のActⅡに続く3回目の企画展。メディアもコンセプトも異なる4名のアーティストが、遠景と近景の間にある「中景」という曖昧な概念を起点としながら、それぞれの解釈を作品に転換することでひとつの展示をつくり上げる。

このシリーズは、これまで身体性を手がかりとして作家を選出・構成してきた。山下は、登山という身体経験による距離感覚の測り直しで現れる現在位置を、コラージュを中心としたさまざまな手法で表現。須賀は、触覚と視覚の間、破壊と創造の間を行き来し、彫刻的表現を中心とした発表を行う。また、二藤は愛や重力など不可視の力学を、パフォーマンスを多分に孕んだ立体作品として可視化する。 そして、今展から参加する川田は、フレスコ画という古典技法を引用し、場所（その多くは巨大な壁面）と向き合うなかで、絵画空間と身体との無意識の調整を取り計らう。

山下によると、大阪は二藤建人と川田知志、東京は山下と須賀悠介という組み合わせではあるが、2人展ではなくあくまでも4人展であることに注目してほしいという。7月23日（土）には両会場をオンラインでつなぐアーティストトークも実施予定。遠隔で展覧会を同時に立ち上げることの意味をより深く考えたい。