2022年6月24日（金）より、ホン・サンス監督の日本公開最新作『イントロダクション』『あなたの顔の前に』が、テアトル梅田で同時公開される。

ホン監督は1961年韓国・ソウルに生まれた。韓国中央大学で映画制作を学び、1985年にカリフォルニア芸術工科大学で美術学士号、1989年にシカゴ芸術学院で美術修士号を取得。留学中に数々の短編実験映画を手がけ、フランスでの映画滞在制作を経て帰国した後、1996年に『豚が井戸に落ちた日』で長編デビューした。男女の恋愛を会話形式で描き出す作風を特徴とし、その独創的なスタイルは「韓国のゴダール」「エリック・ロメールの弟子」と称される。

『イントロダクション』は、父、恋人、母との再会と3つの“抱擁”からひとりの青年の人生をひもとくストーリーが評価され、2021年に第71回ベルリン映画祭銀熊賞（脚本賞）を受賞。また、同年に第74回カンヌ国際映画祭のプレミア部門に招待された『あなたの顔の前に』は、長いアメリカ暮らしから突然に故郷・韓国へ帰国した元女優の1日をたどりながら、心の葛藤と深淵に迫る作品だ。

両作には、ホン監督が教鞭を執る建国大学映画学科の元教え子、シン・ソクホが登場する。また、クォン・へヒョやチョ・ユニ、ソ・ヨンファなど過去作からの常連陣も各作に出演。『あなたの顔の前に』には、名女優イ・へヨンがはじめて主演に抜擢されている。人々の関係性や感情の機微を穏やかに描き出してきたホン監督。多彩な面々によって、今作でどのような人間模様が立ち現れるのか期待したい。